CFDモジュール

新しい Multiphase Flow インタフェース: Three-Phase Flow, Phase Field

新しい Three-Phase Flow, Phase Field インタフェースでは, 流体を分離する界面の正確な位置を調べたいときに, 3 種類の不混和流体の流れと相互作用をモデル化できます. この現象は, 分離 flow with surface tracking. としても知られています. 流体-流体界面は, 流体密度と粘度の差を説明し, 表面張力を考慮した 3 相場公式化で追跡します. 位相場手法では, 滑りなし境界の移動接触線を処理できます.

右の例では, 気泡 (グレーの表面は気体-液体の界面) は, 重い液体の層を通って (青い表面は液体-液体の界面) 軽い液体まで上昇します. 重い液体の一部は気泡の通過跡に引きずられ, 軽い液体の中に運ばれます. そこで重い液他の一部は負の浮力を生じ, 液体-液体界面まで落下します. 中央断面の速度の大きさの表面プロット (虹表面プロット) は, 後部容器壁に投影され, 液体-液体界面が視覚的に理解しやすくなります.

定義済みの Three-Phase Flow (三相流) マルチフィジックス結合は, Laminar Flow インタフェースを Ternary Phase-Field インタフェースと組み合わせます. 流体-流体界面の動きは, 自由エネルギーを最小化すると決まります.

液体-液体と液体-気体の表面張力係数を利用できます. Wetted Wall (湿壁) 機能では, 固体表面で液体ペアの接触角度を指定できます.

Laminar Three-Phase Flow, Phase Field インタフェースでシミュレートした気体と 2 液体間の流れ.

Laminar Three-Phase Flow, Phase Field インタフェースでシミュレートした気体と 2 液体間の流れ.

Laminar Three-Phase Flow, Phase Field インタフェースでシミュレートした気体と 2 液体間の流れ.

新しい Mathematics インタフェース: Ternary Phase Field

CFD モジュールと Microfluidics モジュールの 3 つの非混和フェーズ間の移動インタフェースを追跡する対応する Ternary Phase Field インタフェースもスタンドアロン Mathematics インタフェースです.

Rotating Machinery Fluid Flow インタフェースの新機能: "Turbulent Flow, Algebraic yPlus (乱流、代数 yPlus)", "Turbulent Flow、L-VEL (乱流、L-VEL)"

Rotating Machinery インタフェースには, Turbulent Flow, Algebraic yPlus (乱流, 代数 yPlus)Turbulent Flow, L-VEL (乱流, L-VEL) という 2 つの乱流モデルを追加しました. これらのモデルでは, 乱流粘度は, 対数壁法則の 2種類の拡張機能で決まります. これらのモデルの局所レイノルズ数は, 最寄りの壁までの距離で決まります. この手法のメリットは, 追加の輸送方程式の求解が不要であることと, 乱流変数に入口条件や出口条件を指定する必要がないことです. 代数乱流モデルは計算コストが低く, 頑強ですが, 一般に k−ε モデルのような輸送方程式乱流モデルよりも精度が落ちます.

代数 yPlus 乱流モデルでシミュレートしたアンカーインペラーミキサーの速度場と温度場 (容器後壁と自由表面) 代数 yPlus 乱流モデルでシミュレートしたアンカーインペラーミキサーの速度場と温度場 (容器後壁と自由表面)

代数 yPlus 乱流モデルでシミュレートしたアンカーインペラーミキサーの速度場と温度場 (容器後壁と自由表面)

Rotating Machinery Fluid Flow インタフェースの新機能: Stationary Free Surface (静止自由表面)

Frozen Rotor (フローズンローター) スタディタイプで準定常流を求解するとき, 流体流動と体積力の複合効果 (重力など) による自由表面の変形を推定できるようになりました. 流体流動計算の選択した境界に平均圧力が適用されます. 表面の上昇は, 後処理のスタディステップで得られた圧力変化から評価します.

魚雷周囲の流れによる流線と表面の変形 準定常流は, Rotating Machinery, Fluid Flow (回転機構, 流体流動) インターフェースで Frozen Rotor (フローズンローター) シミュレーションを使用して計算します. 乱流は Algebraic yPlus (代数 yPlus) モデルで計算し, 表面の上昇は, 新しい Stationary Free Surface (静止自由表面) 機能で確認します.

魚雷周囲の流れによる流線と表面の変形 準定常流は, Rotating Machinery, Fluid Flow (回転機構, 流体流動) インターフェースで Frozen Rotor (フローズンローター) シミュレーションを使用して計算します. 乱流は Algebraic yPlus (代数 yPlus) モデルで計算し, 表面の上昇は, 新しい Stationary Free Surface (静止自由表面) 機能で確認します.

魚雷周囲の流れによる流線と表面の変形 準定常流は, Rotating Machinery, Fluid Flow (回転機構, 流体流動) インターフェースで Frozen Rotor (フローズンローター) シミュレーションを使用して計算します. 乱流は Algebraic yPlus (代数 yPlus) モデルで計算し, 表面の上昇は, 新しい Stationary Free Surface (静止自由表面) 機能で確認します.

伝熱係数のための追加的相関関係

伝熱係数ライブラリには, 縦型の薄肉円筒周囲の自然対流における新しい対流伝熱係数相関を追加しました. この伝熱係数により, 非等温流のシミュレーションを円筒境界の熱流束条件に置き換えることができ, 計算コストを節約できます.

新しいアプリ: Inkjet Design

当初, プリンターで使用する目的で考案されたインクジェットですが, ライフサイエンスやマイクロエレクトロニクスなど他の用途にも採用されています. シミュレーションは, 流体流動を理解し, 特定用途に対するインクジェットの最適な設計を予測するときに便利です.

Inkjet Design アプリケーションの目的は, 必要な粒子サイズにインクジェットノズルの形状と動作を合わせることですが, これは注入される液体の接触角, 表面張力, 粘度, 密度次第です. シミュレーションの結果から, 注入したインクが基質で最終粒子に融合する前に, いくつかの粒子に分散するかどうかもわかります.

流体流動は, 表面張力と合わせて, 流体界面を追跡するレベルセット法により, 非圧縮性ナビエ-ストークス方程式でモデル化します.

インクジェットシミュレーション時のピンチオフプロセスの画面キャプチャー. グラフは, 噴射パルスプロファイル (1D) と粒子の経時的な漸進的変化です (2D, 3D). インクジェットシミュレーション時のピンチオフプロセスの画面キャプチャー. グラフは, 噴射パルスプロファイル (1D) と粒子の経時的な漸進的変化です (2D, 3D).

インクジェットシミュレーション時のピンチオフプロセスの画面キャプチャー. グラフは, 噴射パルスプロファイル (1D) と粒子の経時的な漸進的変化です (2D, 3D).

新しいアプリ: NACA Airfoil Optimization

翼, プロペラ, あるいはタービンブレードの空力的特性は, かなりの部分が, 使用する翼の精密な形状によって決まります. NACA Airfoil Optimization アプリケーションは, すべてパラメーター化した NACA 翼の 2 つの主な空力的特性 (揚力係数と抵抗係数) を計算します. 本アプリケーションは, 翼の厚さ, キャンバー, 弦長の変更が空気力学にどのような影響を与えるかを視覚化するために使用します.

シミュレーションアプリケーションに流体流動のレイノルズ数を入力すると, その値に応じて適切な流体流動インタフェースとメッシュが自動的に選択されます. 低レイノルズ数シミュレーションは, Laminar Flow インタフェースで実行し, 高レイノルズ数シミュレーションは, Spalart-Allmaras 乱流モデルを使用します. このモデルは, 翼の設計シミュレーション専用に開発されたものです.

翼の形状は, すべてパラメーター化されています. 翼の寸法を直接入力するか, アプリケーションの最適化ソルバーで最大限の揚抗比が得られる最適な形状を探します.

Spalart-Allmaras 乱流モデルで計算した NACA プロファイル周囲の乱流 Spalart-Allmaras 乱流モデルで計算した NACA プロファイル周囲の乱流

Spalart-Allmaras 乱流モデルで計算した NACA プロファイル周囲の乱流

新しいアプリ: Water Treatment Basin

水処理池は, 飲料水として安全な水にするためなどの目的でバクテリアその他汚染物質を取り除くため工業規模の処理で使用します.

Water Treatment Basin アプリケーションは, 乱流や化学反応による物質収支のモデリングへのアプリケーション使用を実証します. 池, 混合バッフル, 入口水路, 出口水路の寸法と向きを指定できます. また, 一次反応における, 入口速度, 化学種の濃度, 反応率定数も設定できます.

ノンアプリケーションは, 池 を流れる乱流を求解し, 結果として流動場と濃度場の他, 時空間, 半減期, 圧力損失を提示します.

水処理池における反応流のシミュレーションで得た速度の大きさと流線 水処理池における反応流のシミュレーションで得た速度の大きさと流線

水処理池における反応流のシミュレーションで得た速度の大きさと流線