レンダリングと可視化アップデート

COMSOL Multiphysics® バージョン 5.2a には, 後処理を向上させる新しい6つのカラーテーブル, 1D プロットと LaTeX 方程式の新しい注釈機能, モデルデータを新しい方法で表示する表サーフェスプロット等, シミュレーション結果のレンダリングや可視化を行うための多彩な新機能や更新された機能を備えています. COMSOL Multiphysics® バージョン 5.2a のレンダリングおよび可視化のアップデートに関する詳細は, 以下のとおりです.

可視化プロットの新しい6つのカラーテーブル

COMSOL Multiphysics® では, 以下のような新しい6つのカラーテーブルを導入することで, 可視化機能の範囲が拡張されています.

  1. Aurora Australis
  2. Aurora Borealis 
  3. Heat Camera  
  4. Heat Camera Light 
  5. Jupiter Aurora Borealis 
  6. Twilight 

自動車ドアの電気めっきチュートリアルモデル の層厚みの変化を示す, 新しい Twilight カラーテーブルオプションを使用した可視化.

自動車ドアの電気めっきチュートリアルモデル の層厚みの変化を示す, 新しい Twilight カラーテーブルオプションを使用した可視化.

自動車ドアの電気めっきチュートリアルモデル の層厚みの変化を示す, 新しい Twilight カラーテーブルオプションを使用した可視化.

自動車ドアの電気めっきチュートリアルモデル の層厚みの変化を示す, 新しい Twilight カラーテーブルオプションを使用した可視化.

自動車ドアの電気めっきチュートリアルモデル の層厚みの変化を示す, 新しい Twilight カラーテーブルオプションを使用した可視化.

Inkjet Nozzle — Level Set Method tutorial modelの液滴周囲流動を示す, 新しい Jupiter Aurora Borealis カラーテーブルを使用した可視化.

Inkjet Nozzle — Level Set Method tutorial modelの液滴周囲流動を示す, 新しい Jupiter Aurora Borealis カラーテーブルを使用した可視化.

Inkjet Nozzle — Level Set Method tutorial modelの液滴周囲流動を示す, 新しい Jupiter Aurora Borealis カラーテーブルを使用した可視化.

Airflow Over an Ahmed Body tutorial modelの自動車様のアーメド体の周囲の流線を示す, 新しい Jupiter Aurora Borealis カラーテーブルを使用した可視化.

Airflow Over an Ahmed Body tutorial modelの自動車様のアーメド体の周囲の流線を示す, 新しい Jupiter Aurora Borealis カラーテーブルを使用した可視化.

Airflow Over an Ahmed Body tutorial modelの自動車様のアーメド体の周囲の流線を示す, 新しい Jupiter Aurora Borealis カラーテーブルを使用した可視化.

新しい Heat Camera カラーテーブルオプションを使い可視化した, Absorbed Radiation (SAR) in the Human Brain tutorial modelの携帯電話のマイクロ波放射に曝されたファントム頭部の温度変化の対数.

新しい Heat Camera カラーテーブルオプションを使い可視化した, Absorbed Radiation (SAR) in the Human Brain tutorial modelの携帯電話のマイクロ波放射に曝されたファントム頭部の温度変化の対数.

新しい Heat Camera カラーテーブルオプションを使い可視化した, Absorbed Radiation (SAR) in the Human Brain tutorial modelの携帯電話のマイクロ波放射に曝されたファントム頭部の温度変化の対数.

音響のための新しい指向性プロット

音響工学の用途に新しい指向性プロットタイプを使い, ラウドスピーカーの空間応答を周波数と角度両方の関数として表すことができます. ラウドスピーカーや電子音響変換素子の解析において, プロットが重要となります. この方法で空間応答を表すことは, ラウドスピーカー業界では非常に一般的に行われており, 測定データもこれと同じ方法で表されることがよくあります. プロットには, モデル化したデータに対する洞察力を最大限に高めるための多彩なフォーマット設定オプションがあります. 主要なフォーマット機能には以下のものがあります.

  • 正規化: 入力音圧レベルデータは, 具体的な極角または (各周波数での) 最大値に基づき正規化することができ, また正規化を行わないこともできます.
  • 評価: 空間の任意の箇所に評価サークルを定義することができ, 0°の方向が設定される基準方向を定義することが可能です.
  • カラーとスタイル: 塗りつぶし, 線などデータの書式を指定したり, ラベルを追加します. また, 軸のレイアウトを簡単に切り替えることができ, 周波数を x 軸上に表示したり y 軸上に表示できます.

データを 30 度に基づき正規化, 周波数を x 軸上に表示, プロットにラベルを追加した, 指向性プロット例 (左).
同じデータ正規化を 0 度で適用して, 周波数を y 軸上に表示 (右).

データを 30 度に基づき正規化, 周波数を x 軸上に表示, プロットにラベルを追加した, 指向性プロット例 (左). 同じデータ正規化を 0 度で適用して, 周波数を y 軸上に表示 (右).

データを 30 度に基づき正規化, 周波数を x 軸上に表示, プロットにラベルを追加した, 指向性プロット例 (左).
同じデータ正規化を 0 度で適用して, 周波数を y 軸上に表示 (右).

データを 30 度に基づき正規化, 周波数を x 軸上に表示, プロットにラベルを追加した, 指向性プロット例 (左). 同じデータ正規化を 0 度で適用して, 周波数を y 軸上に表示 (右).

データを 30 度に基づき正規化, 周波数を x 軸上に表示, プロットにラベルを追加した, 指向性プロット例 (左). 同じデータ正規化を 0 度で適用して, 周波数を y 軸上に表示 (右).

タイトルと注釈のLaTeX フォーマット等の機能強化

1D プロットに注釈を含めることができるようになりました. このオプションは, 以前のバージョンの COMSOL Multiphysics® ですでに 2D および 3D プロットに利用可能となっています. さらに, 注釈機能が拡張され, プロットのタイトルに注釈を挿入したり, 注釈に背景色, フレーム, LaTeX マークアップを使用することができます. LaTeX マークアップオプションと特殊文字構文 \\ を使い, 改行を行えるようになりました. 例えば, 下図の画像で使用する注釈を作成するには, 次のようなテキスト表現を用います. $\sigma_{\textrm{max}}$ = eval(maxop1(solid.mises),MPa) MPa

最大ミーゼス有効応力の場所と値を示す構造解析. 最大ミーゼス有効応力の場所と値を示す構造解析.

最大ミーゼス有効応力の場所と値を示す構造解析.

塗りつぶしコンター凡例

コンターと等値面プロットタイプに, 塗りつぶし凡例を使用するためのオプションが含まれるようになりました. この機能は, 塗りつぶしコンタープロットに特に有用です.

塗りつぶしコンター凡例機能の使用例を示すアプリケーションライブラリへのパス: ACDC_Module/Capacitive_Devices/capacitor_dc

塗りつぶし凡例が右側に表示された, Computing Capacitance tutorial model.

塗りつぶし凡例が右側に表示された, Computing Capacitance tutorial model.

塗りつぶし凡例が右側に表示された, Computing Capacitance tutorial model.

VTKのエクスポート

データおよびプロットのエクスポート機能で, 非構造 VTK ファイル (.vtu) のエクスポートがサポートされるようになりました. このファイル形式でデータをエクスポートすれば, データをサードパーティプログラムで表示することができます.

データまたはプロットをエクスポートする際に表示されるファイル形式リストに, 非構造 VTK ファイル形式オプションが含まれるようになりました. データまたはプロットをエクスポートする際に表示されるファイル形式リストに, 非構造 VTK ファイル形式オプションが含まれるようになりました.

データまたはプロットをエクスポートする際に表示されるファイル形式リストに, 非構造 VTK ファイル形式オプションが含まれるようになりました.

複数の導出値表現式

数値評価機能で, 一度に複数の式を評価できるようになりました. つまり, 式ごとに 1つの Evaluation Feature (評価機能) ノードを追加しなくても済むので, モデルが複雑になっても時間が節約されます.

テーブルサーフェスプロットの柔軟性強化

テーブルサーフェスプロットで, 離散 (階段型 ) プロットがサポートされるようになりました. さらに, Filled table (塗りつぶし表), Columns (列), Cells (セル) の3つのフォーマットのいずれかを使い, ファイルからインポートしたデータからテーブルサーフェスプロットを作成することができます. Filled table (塗りつぶし表) オプションは, 以前のバージョンの機能に対応しています. 新しい Columns (列) オプションでは, 列指向フォーマットのデータがサポートされています. 例えば, インポートしたファイルはフォーマット x,y,z,T で保存したデータに対応し, x,y,z 座標は最初の3列, 温度などの場変数は4列目に表示されます. 新しい Cells (セル) オプションを使い, 抵抗, 容量, インダクタンスマトリックス等のマトリックスフォーマットの離散データをインポートすることができます.

インポートしたデータに基づく高さ式のある離散テーブルサーフェスプロット. インポートしたデータに基づく高さ式のある離散テーブルサーフェスプロット.

インポートしたデータに基づく高さ式のある離散テーブルサーフェスプロット.

材料の平滑化

多くのプロットタイプに Quality (品質) セクションがあり, プロット解像度を選択したり連続性を強制することができ, また導関数回復の使用を指定することができます. COMSOL Multiphysics® バージョン 5.2a では, これらの設定が拡張され, 新しいオプションが幾つか追加されています. 平滑化は, 5つのオプションから選択できるようになりました.

  1. None (なし)
  2. Inside material domains (材料ドメイン内)
  3. Inside geometry domains (ジオメトリードメイン内)
  4. Everywhere (全域)
  5. Expression (式)

新しい Inside material domains (材料ドメイン内) オプションは, 材料が同じであるすべてのドメインを, 平滑化に関して同一のドメインと見なします. ただし, 材料界面の不連続性は保たれます. Expression (式) オプションを使い, 定数で表現されるドメイン内に適用される, 平滑化に使用する接続されたドメインをカスタマイズできます. 新しい Smoothing threshold (平滑化閾値) オプションを選択すると, 互いに大きな差分がない値を, 平滑化に関して同じ値を持つと見なすことが可能となります. 隣り合う2つのポイントが異なる値を持つ場合には, これらの値の相対的な差分が所定の閾値以下である場合のみ, 平滑化が行われます.

平滑化のための新しい Inside material domains (材料ドメイン内) オプション. 平滑化のための新しい Inside material domains (材料ドメイン内) オプション.

平滑化のための新しい Inside material domains (材料ドメイン内) オプション.

平滑化のための新しい Threshold smoothing (平滑化閾値). 平滑化のための新しい Threshold smoothing (平滑化閾値).

平滑化のための新しい Threshold smoothing (平滑化閾値).

平滑化のための新しい Expression (表現) オプション. 平滑化のための新しい Expression (表現) オプション.

平滑化のための新しい Expression (表現) オプション.

材料ドメイン変数

カスタムフィジックス設定で用いられる式と結果に, 新しい変数 material.domain (材料ドメイン) を使用できます. この材料変数は, 同じ材料特性を持つドメイン全体の一定整数値を伴う標識変数です. 境界, エッジ, ポイントに関する材料定義の変数は, それぞれ material.boundary, material.edge, material.point として用いることができます. 変数 material.entity (材料エンティティ) は, ドメイン, 境界, エッジ, ポイントなど, すべてのエンティティレベルで用いることができ, あらゆる不連続性がドメインレベルから下位次元のエンティティに受け継がれます.

材料のための新しいインディケーター変数. 材料のための新しいインディケーター変数.

材料のための新しいインディケーター変数.

結果パラメーターの使用

新しい Parameter (パラメーター)ノードを Results (結果)ノードのサブノードとして追加できるようになりました. これらの新しいタイプのパラメーターを追加, 編集したり, 後処理や可視化で補助変数として使用することができ, しかもモデルを再計算せずに済みます. 例えば, 結果パラメーターに基づき動画を作成する新しいオプションを選択し, パラメーターを使ってスライスプロットの場所, 等値面レベル, 切断面データセットの位置などを動画化できます.

Results (結果) ノードの Parameters(パラメーター) ノードでパラメーターを定義し, 例えば等値面プロットの場所を動画化します.

Results (結果) ノードの Parameters(パラメーター) ノードでパラメーターを定義し, 例えば等値面プロットの場所を動画化します.

Results (結果) ノードの Parameters(パラメーター) ノードでパラメーターを定義し, 例えば等値面プロットの場所を動画化します.

Results (結果) ノードの Parameters(パラメーター) ノードでパラメーターを定義し, 例えば等値面プロットの場所を動画化します.

Results (結果) ノードの Parameters(パラメーター) ノードでパラメーターを定義し, 例えば等値面プロットの場所を動画化します.

スライス, 矢印, 切断面位置のグローバル計算式の使用

グローバルに定義した式を使ってプロットの座標を指定できるようになりました. 例えば, 場変数の最大値の場所により切断面の座標を求めることができます. この機能は, スライス, 矢印, 切断線等の位置決めにも使用することができます.

有効応力のグローバル最大値に配置した切断面のコンタープロット. 有効応力のグローバル最大値に配置した切断面のコンタープロット.

有効応力のグローバル最大値に配置した切断面のコンタープロット.