構造力学モジュールアップデート
COMSOL Multiphysics® バージョン 5.3aでは, ボルトネジ山接触モデリング, より一般的な流体-構造相互作用マルチフィジックス連成が加わり, デフォルトプロットの可視化が改善されました. 詳細は以下をご覧ください.
ボルトプリテンションの改良
「ボルトプリテンション」機能が「固体力学」インターフェースの 2D 軸対称コンポーネントに追加されました. ボルトの回転軸は対称軸と一致します. 3D と 2D 軸対称において,「ボルト選択」サブノードにおいて, 時間や荷重履歴の関数であるボルトの事前変形を緩和させる指定ができるようになりました.
ボルトプリテンションの改良
「ボルトプリテンション」機能が「固体力学」インターフェースの 2D 軸対称コンポーネントに追加されました. ボルトの回転軸は対称軸と一致します. 3D と 2D 軸対称において,「ボルト選択」サブノードにおいて, 時間や荷重履歴の関数であるボルトの事前変形を緩和させる指定ができるようになりました.
新しい流体-構造相互作用インターフェース
前のバージョンの「流体-構造相互作用」マルチフィジックス連成が新しくなりました. 新しい連成は現代のスタイルとマッチし, どのようなシングルフィジックスインターフェース, マルチフィジックスノードともよく連成します. 構成されるフィジックスインターフェースの全ての機能が流体-構造相互作用 (FSI) モデリングで利用可能です. 構造側では, 多くの境界条件が追加され, 剛体ドメイン, 圧電, 非線形弾性材料モデルなどの FSI 解析のための材料モデルも利用可能になりました. 流体側では,全ての乱流モデルと新しい境界条件が追加されました. モデルウィザードから「流体-構造相互作用」インターフェースを加えると,「固体力学」インターフェース,「層流」インターフェース,「流体-構造相互作用」マルチフィジックス連成ノードが得られ,「移動メッシュ」ノードが「定義」セクションに現れます. アプリケーションライブラリの全ての流体-構造相互作用モデルはこの新しい連成機能を使って更新されています.
一般化平面歪
2D 固体力学では一般化平面歪定式化が3つ目のオプションとして平面歪と平面応力の近似に開発されました. 一般化平面歪近似は, 長くて一定の断面をもつ構造の中心部分をモデル化するためのものです. このような場合は標準の平面歪定式化とは異なり, 非ゼロの面外歪が存在します.
梁と固体連成
2D における「固体-梁連結」マルチフィジックス連成に新しく「固体-梁共通境界」連結タイプが加わりました. 3Dにおいてもこの連成は有効で, 次の3つの異なる連結タイプのモデル化が可能です:
1. 梁上のある点が固体境界上に連結. 連結した領域は梁上のその点と剛体連結します.
2. 梁上のあるエッジが固体境界と連結. 梁からある横方向距離内にある全ての点が連結します.
3. 梁から固体への変換をモデル化します. 固体が梁断面の3D表現であると仮定して, 連結の定式化に梁理論の仮定を用います. 断面のゆがみも考慮します.
デフォルトプロットの改善
構造力学フィジックスインターフェースのデフォルトプロットがさらに情報量のある可視化になりました. それに対応してアプリケーションライブラリのチュートリアルも更新されました. 新しくなった点の主要なものは次の通りです:
- フォン・ミーゼス応力プロットのカラーテーブルがレインボーライトになりました.
- 固有周波数と線形バックリングスタディのモード形状プロットのカラーテーブルが AuroraBorealis になりました.
- モード形状プロットにおいて, 物理的な意味を持たないモード振幅のレジェンドをなくしました.
- 「梁」と「トラス」インターフェースの断面力プロットが, カラー範囲が対称であるウェーブになりました.
- これにより張力と圧縮の区別が一目でできるようになりました.
- 接触解析において接触圧力プロットがラインプロット (2D) またはコンター (3D) として加わりました.
- 応力線形化のデフォルトプロットにレジェンドが加わりました.
- 「シェル」インターフェースの非変形ジオメトリプロットが新しい色になりました.
- 塑性やクリープなどの材料モデルが使われる場合, 有効塑性歪など, 関連する歪量のコンタープロットが応力プロットと重ねて描画されます.
- 非線形構造材料モジュールとジオメカにクスモジュールに適用されます.
- 「疲労解析」インターフェースでは予想される破壊サイクルと使用因子にトラフィックカラーが使用されます. 疲労解析モジュールに適用されます.
主値プロットの改良
主応力プロットタイプが任意のテンソル主値の可視化に利用できるようになりました. 最近のバージョンでは単一の既定応力だけが選択できましたが, 新しく主値に対応するベクトルの回転方向をマニュアルで入力できるようになりました.
「固体力学」インターフェースの結果に新しい主歪 (対数) が加わりました. これは対数表示の主歪, または"本当の"歪です. 空間固定の座標系で与えられる向きで定義してあり, 幾何学的に非線形な解析における変形ジオメトリ上のプロットに向いています.
また, 新しく, 主応力ラインプロットタイプが加わりました. これは「シェルとプレート」インターフェースに特に有用です. 従来は主値プロットはボリュームとサーフェスでしか利用できませんでした.
梁インターフェースのCおよびハット断面
「梁」インターフェースにC型とハット型の2つの新しい断面タイプが加わりました.
拘束の詳細制御
構造力学インターフェースの全ての拘束が低いレベルのジオメトリエンティティでの拘束を除外するオプションが付いて補強されました. 例えば, 境界上の「既定変位」は境界のエッジかポイントで無効にすることができます. これは, 拘束の重複や競合があるような場合に拘束を精査するときに便利です.
接触問題の固有周波数解析
接触問題を解いた後に固有周波数を計算することができるようになりました. これにより, 例えば, ボルトを打たれた構造の固有周波数が事前荷重によって受ける影響を解析することができます.
熱応力に伴う機械損失
「熱膨張」マルチフィジックス連成ノードが熱応力による機械損失を自動で扱えるようになりました. 対応するドメインの熱伝導方程式に発生した熱源が追加されます. 「熱膨張」ノードに新しく設けられた「熱源」セクションにある「機械損失」チェックボックスでこのオプションを選択することができます.
安全因子計算への追加
「安全」機能に2つの更新が加わりました. 1つは「メンブレイン」インターフェースにおいて, 修正 Tsai-Hill, Norris, Azzi-Tsai-Hill, Hoffman, Tsai-Wu 直交異方性, Tsai-Wu 条件が加わりました. 2つ目はコンクリートの破綻条件, Bresler-Pister, Willam-Warnke, Ottosenが「固体力学」,「シェル」,「プレート」,「梁断面」インターフェースに加わりました.