化学反応工学モジュール
新しいアプリ:バイオセンサー設計
バイオセンサーのフローセルにはマイクロピラーのアレイがあり, 支柱のくぼんだ面は, サンプルストリームの生分子を選択的に吸収する活物質でコーティングされています. このアプリケーションでは, 支柱径, グリッド間隔, 入口速度などの入力パラメーターを変更して検出結果がどのような影響を受けるかを確認して, センサーの設計を変更することができます.
化学インタフェースと反応工学インタフェースの新しい Surface CHEMKIN® 機能
均一系反応用の従来の CHEMKIN® インポート機能に加えて, 新しい機能では, サーフェス種とサーフェス反応データとともに Surface CHEMKIN® ファイルをインポートできます. 対象は, 反応速度論, 輸送特性, 熱力学といった, あらゆるタイプの CHEMKIN ファイルです. 利用できる反応データが Surface CHEMKIN® 形式の場合, Surface CHEMKIN® 標準は, 触媒表面上の反応と不均一反応のモデル化に特に便利です.
新しい気体混合物粘度相関
混合物の粘度の予測方法は, 反応工学インタフェースと化学インタフェースで利用できるようになりました. 従来可能だったのは, 純ガスの粘度予測だけでした.
反応型ペレットベッド機能に追加した膜抵抗機能
ペレットバルク流体表面のマクロスケール濃度をマイクロスケール濃度を連成するため, 反応型ペレットベッド機能に 2 つの選択肢を用意しました.
- 連続濃縮 * 膜抵抗 (質量流束)
新しい膜抵抗オプションは, ペレットに対する質量移動の行き来を境膜係数 hD に関連付けます. これは, 生物反応器と触媒ベッドを調べるときの共通モデルです. ここで, 多孔質ペレット内部以外に, ペレット表面付近の薄膜内で質量移動に対する抵抗が予想されます. 質量移動係数の計算は, シャーウッド数から自動的に行われます. その後者の定義は 3 つの経験式のいずれかから行われます.
- Frössling
- Rosner
- Garner and Keey
多孔質媒体における化学反応の使い勝手の強化
多孔質媒体における希釈種の輸送インタフェースの反応源項には, 飽和多孔質媒体と不飽和多孔質媒体の反応体積ベースの主要因である以下のオプションを用意しました.
- 全体積 * 細孔体積 * 液相 * 気相
以上のことから, 異なる体積ベースごとに表にまとめることができ, 反応式の文献データを簡単に利用できるようになり, 間違いが起きにくくなりました.
吸湿膨張
吸湿膨張の原因は, 水分含量の変化による内部材料歪みです. 新しい吸湿膨張マルチフィジックス連成は, 希釈種の輸送インタフェースまたは多孔質媒体における希釈種の輸送インタフェースと固体力学インタフェース間で水分濃度を結合するために使用します.
含塵ガスモデル
含塵ガスモデルを可能にするため, 濃縮種の輸送インタフェースにクヌーセン拡散を補助輸送機構として追加しました. この機構は, フィックの法則モデルと混合平均拡散モデルで利用できます. 含塵ガスモデルは, たとえば触媒膜と燃料電池への応用などで, 多孔質媒体における化学反応にともなう質量輸送を正確に予測する場合に選択します.
気体中では, 輸送分子の平均自由行程がシステムの長さスケールと同じ指標以上の場合, この機構は輸送速度に大きな意味を持ちます. たとえば, 径の小さい (2~50 nm) 長い細孔では, 分子は細孔壁に頻繁に衝突するため, それに応じて拡散を調整する必要があります.
質量基準の濃度変数
濃縮種の輸送インタフェースには, 質量分率に加えて新たに質量ベースの濃度変数 (kg/m3) を追加しました. これは, ポストプロセス, レポート, 可視化で使用でき, 結果を解釈するユーザーの好みに応じてさまざまな単位でデータを表現できる柔軟性が加わりました.
ダルシーの法則インタフェースの無限要素領域
ダルシーの法則インタフェースは, 無限要素領域と境界流束の高度な計算をサポートするようになりました.
更新されたチュートリアル:マルチスケール 3D 充填床反応器
このチュートリアル, マルチスケール 3D 充填床反応器では, 産業的な妥当性から以下の点を強化しました.
- より現実的な設計をシミュレートするため, 反応器の入口に穴あきプレートを取り付けました. * より複雑な二次可逆性反応速度論を組み込みました. * 反応器の始動時の挙動も示す時間依存スタディをシミュレートします.
更新されたチュートリアル:GaAs 化学蒸着 (CVD)
GaAs CVD アプリケーションを完全に見直し, CVD プロセスにおけるバルク反応と表面反応の複雑なシステムを簡単にまとめられるようになりました. このアプリケーションは, Surface CHEMKIN® ファイルによる CHEMKIN® インポート用に新しい可逆反応グループ機能を使用しています.
半導体製造では, CVD 反応器は表面に吸着して反応する分子と分子断片による基板上の薄膜被覆に使用します.
化学蒸着 (CVD) では, 表面に吸着して反応する分子と分子断片により基板上に薄膜を形成します. この CVD システムは, 気相と吸着動力学の詳細な解説など, 運動量, エネルギー, 物質収支でモデル化しています. 流線は速度ベクトルの方向を示し, カラープロットは反応器の 1 つの濃度グラフを表します.
化学蒸着 (CVD) では, 表面に吸着して反応する分子と分子断片により基板上に薄膜を形成します. この CVD システムは, 気相と吸着動力学の詳細な解説など, 運動量, エネルギー, 物質収支でモデル化しています. 流線は速度ベクトルの方向を示し, カラープロットは反応器の 1 つの濃度グラフを表します.
新しいチュートリアル:イオン交換カラムにおけるタンパク質吸着
イオン交換カラムは, 溶液からタンパク質を分離するための強力な手法であり, 今日, バイオテクノロジー産業や医薬品産業では手軽に利用されています. この新しいチュートリアルは, 2 つのタンパク質の吸着についてイオン交換カラムをシミュレートします.
流体相には, 2 つのタンパク質, 溶媒, 1 つの塩という 4 つの成分があります. 吸着/脱着動力学を 2 つの平衡反応で説明します. ここでタンパク質は, 表面に吸着したイオンに置き換えられ, 逆の場合も同様です. このチュートリアルでは, 化学平衡時の反応を, 反応工学インタフェースによって理想的に完全に混合した反応器システムでいかに調査するかに焦点を当てます. また, このチュートリアルでは, 理想的な反応器セットアップの動力学を 3D モデルにエクスポートする方法を紹介します. ここでは, カラム内の反応表面の空間効果を詳しく調べます.