伝熱モジュール

新しいアプリ:フィン付きヒートシンク

この新規アプリはパラメーター化されたヒートシンクのジオメトリを含み, 流体が代数乱流モデル yPlus を使ってモデル化される共役伝熱を考慮します. モデルは任意の冷却空気速度で様々なヒートシンク幅とフィン寸法をシミュレートすることができます. ヒートシンクの数も変更することができます.

出力はシステムの全長に渡って冷却力と平均圧力低下を示します. 追加されたフィンが多いと冷却力も高くなりますが, それに従ってヒートシンク全体の圧力低下は増加します.

ユーザー設定により得られた速度プロファイルを示すアプリケーションインタフェース ユーザー設定により得られた速度プロファイルを示すアプリケーションインタフェース

ユーザー設定により得られた速度プロファイルを示すアプリケーションインタフェース

新しいアプリ:同心チューブ熱交換器設計ツール

この新規シミュレーションアプリでは, 2つの同心チューブからなる熱交換器は温度の違う2つの流体領域を備えています. 熱交換器の中の熱伝導をモデル化するのに非等温流マルチフィジックスインタフェースが使われています. このアプリは交換出力, 圧力低下, 効率などの熱交換器を特徴づける量を計算します. パイプ構造, 流体特性, 境界条件はすべてカスタマイズ可能です.

同心チューブ熱交換器アプリでチューブの特性を定義する 同心チューブ熱交換器アプリでチューブの特性を定義する

同心チューブ熱交換器アプリでチューブの特性を定義する

代数乱流モデル

代数乱流モデル yPlus と L-VEL が伝熱モジュールでご利用になれます. これらの粘度強化モデルは電子冷却アプリケーションにおける内部流に適しています. 代数乱流モデルは計算コストが低く, 頑強ですが, 一般に k−ε モデルのような輸送方程式モデルよりも精度が落ちます. これらの乱流モデルは 単相流 インタフェースおよび, マルチフィジックスインタフェース 非等温流 および 共役伝熱で利用できます.

電源ユニット (PSU) において yPlus 代数乱流モデルを使って流線型が計算されています. 電源ユニット (PSU) において yPlus 代数乱流モデルを使って流線型が計算されています.

電源ユニット (PSU) において yPlus 代数乱流モデルを使って流線型が計算されています.

局所熱非平衡マルチフィジックスインタフェース

局所熱非平衡 (LTNE) マルチフィジックスインタフェースはマクロスケールの多孔質媒体で伝熱をシミュレートするようにデザインされています. ここでは多孔質母材と流体の温度は平衡状態にありません. それは固相と流体相で温度差が無視される多孔質媒体における伝熱のためのより単純なマクロスケールモデルとは異なります. 典型的な用途としては, 高温流体による多孔質媒体の急速加熱や冷却または, ひとつの相における内部発熱があります (誘導加温やマイクロ波加熱, 発熱反応などによる). この現象は例えば原子力装置, 電子システム, 完全に充電した電池などで観察されます.

結合された多孔質媒体流れと乱流

単層流れインターフェースが多孔質媒体と結合した自由な媒体の乱流をモデル化することができるようになりました. 幾何学的 yPlus または L-VEL 乱流モデルのための流体とマトリックスプロパティドメインノードを加えることでこの機能を使うことができます. これらの乱流モデルは CFD モジュールと伝熱モジュールでのみ利用可能ですが, 他のモジュールで利用可能な多孔質流れ インターフェースと結合することができます.

多孔質流れインターフェースを先に始めてから自由流れドメインを加えても, その逆に, 自由流れインターフェースに多孔質ドメインを加えてもよいです. 多孔質ドメインを利用チェックボックスにチェックをすると, 流体とマトリックスプロパティ機能が加わります. Brinkman 方程式が多孔質ドメインの中で解かれ, レイノルズ平均ナビエ-ストークス方程式が自由流れドメインで解かれます.

最後に, 多孔質媒体流れに Forchheimer 項を加えることでモデル化の能力を拡張することができます. これにより速いい間隙流速の表現 (孔における速い速度) が可能になります.

この図は, 視野遠方に配置する穿孔された固体プレートにより支えられた多孔質フィルターを示します. 流れはフィルターを通してポンピングされます. そこでは乱流中における多孔質フィルターと保持プレートにおける穿孔の効果が流れインターフェースの中で自動的に考慮されています. この図は, 視野遠方に配置する穿孔された固体プレートにより支えられた多孔質フィルターを示します. 流れはフィルターを通してポンピングされます. そこでは乱流中における多孔質フィルターと保持プレートにおける穿孔の効果が流れインターフェースの中で自動的に考慮されています.

この図は, 視野遠方に配置する穿孔された固体プレートにより支えられた多孔質フィルターを示します. 流れはフィルターを通してポンピングされます. そこでは乱流中における多孔質フィルターと保持プレートにおける穿孔の効果が流れインターフェースの中で自動的に考慮されています.

多孔質ドメインにおける非等温流連成

流体およびマトリックスプロパティフィーチャーが COMSOL Multiphysics 5.1 の次のモジュールの 単相流 インタフェースに導入されました:バッテリー&燃料電池, CFD, 化学反応工学, 腐食, 電気化学, 電着, マイクロフルイディクス, そして, 地下水流.

同時に伝熱モジュールと CFD モジュールにある非等温流マルチフィジックス連成ノードも更新されました. 多孔質媒体における伝熱および, 流体およびマトリックスプロパティ機能への連成を要求するマルチフィジックス現象をシミュレートすることができるようになりました. この能力は多孔質媒体の母材を通じた可変温度分布による自然対流のような多孔質媒体での非等温流をモデリングするのに使えます. 粘性消散と圧力によってなされる仕事もまた多孔質媒体領域で解決できます.

さらに非等温乱流をシミュレートするために非等温流マルチフィジックス連成ノードを使うことが可能です. これは, 自由領域で代数乱流モデルを使用し, インタフェースで多孔質媒体流と練成することで実現されます.

堆積したビーム出力

新しい堆積したビーム出力機能は 3D で利用でき, 局所で狭帯域レーザー, 電子, イオンビームをモデリングするために使われます. ユーザーインタフェースはビーム特性とプロファイルタイプを定義するための様々なオプションを提供します:ガウスまたはトップハットビーム. またそれはビーム原点, 方向ベクトル, 厚さ, 堆積した出力の定義を可能にします. これらのインプットから, 堆積したビーム出力機能は選択された境界との交点を決定します. また, 選択された分布関数によって局部的な熱源が適用されます.

マランゴニ効果

新しい境界マルチフィジックス機能は単相流と伝熱インタフェースを連成し, 温度依存の表面張力で誘発されるマランゴニ効果をモデル化します. マランゴニ (またはサーモキャピラリー) 対流は接触面 (一般に液体と空気) の表面張力が温度に依存するとき発生します. これは溶接, 結晶成長, 金属のレーザーまたは電子ビーム溶解で最も重要です.

レーザービームで加熱された液体金属におけるマランゴニ効果で誘導される等温面, 表面の流れ方向 (矢印) 流体の流線. レーザービームで加熱された液体金属におけるマランゴニ効果で誘導される等温面, 表面の流れ方向 (矢印) 流体の流線.

レーザービームで加熱された液体金属におけるマランゴニ効果で誘導される等温面, 表面の流れ方向 (矢印) 流体の流線.

伝熱インタフェースのための最適化されたデフォルトメッシュ設定

すべての伝熱インタフェースにおけるデフォルトメッシュ設定は周期的条件と対条件を利用します. これらの機能が有効な時, デフォルトメッシュはソースおよび目的境界で同じメッシュを使い, 外挿法から誘導される数値誤差を最小化します. これは両側のメッシュが一致しないときに発生します. さらに, 物理学制御の自動メッシュ提案機能では, 無限要素のためにメッシュ化を自動化します. 新しい自動メッシュ提案機能は, 無限要素の領域にスイープ (3D) またはマップ (2D) メッシュ作成を自動的に適用します.

任意のメッシュ (カラー要素) を伴う内部領域の周囲にある無限要素領域 (グレー要素) のために得られるデフォルトメッシュ. 任意のメッシュ (カラー要素) を伴う内部領域の周囲にある無限要素領域 (グレー要素) のために得られるデフォルトメッシュ.

任意のメッシュ (カラー要素) を伴う内部領域の周囲にある無限要素領域 (グレー要素) のために得られるデフォルトメッシュ.

伝熱係数のための追加的相関関係

2 つの対流伝熱係数相関が, 球または長い水平円筒の周囲の自然対流によって誘導される外部流に対応する伝熱係数ライブラリに追加されました. モデル構成がこれらの状況のうちひとつに対応する場合これらの伝熱係数を使ってシミュレーションコストを減らすことができます. これらの場合, 流体の流れ計算と熱対流は固相境界の熱流束境界条件によって置き換えられます.

黒体強度と黒体放射パワーのための定義済み関数

伝熱インタフェースはそれぞれ黒体強度と黒体放射パワーを評価するため 2 つの新しい関数 ht.fIb(T) および ht.feb(T)を提供します. 2 つの関数のために媒体の屈折率が考慮されます. これらの量は黒体温度の関数として定義されるので任意の温度でそれらを評価することが可能です. 例えば, ht.feb(5770[K]) は 5770 K での放射パワーを返します. これは太陽を黒体としてモデル化するのに使う温度です.

薄層機能の改善されたサポート

薄層境界機能はモデルの全体的結果に顕著な効果を持つ小さな (特に薄い) 構造をモデル化するのに使われます. 層の小さな寸法にもかかわらず温度は層の厚みに依存して著しく変化します. 表面対表面境界条件, 等温領域, 熱壁関数など伝導だけではなく他の現象を考慮するためこの機能は更新されました.

生物加熱計算が従来の5倍以上速く計算可能に

新しい計算方法によって生物組織の加熱の計算が従来の5倍以上にスピードアップしました. 閾値温度のオプションが有効で, 高温, または低温による壊死温度に達したときの破壊積分解析で計算速度が向上します. さらに, 壊死温度を越えた場合の温度検知も向上しました.

等式セクションに示されたリファクタリングされた等式

すべての機能の \"等式\" セクションに表示された等式は改善されて, 読みやすく一貫性が高まっています.

流体の伝熱機能における更新された等式の例 流体の伝熱機能における更新された等式の例

流体の伝熱機能における更新された等式の例

新しいチュートリアル:皮膚がん診断のための円錐誘電性プローブのモデル化

35 GHz と 95 GHz の周波数のミリ波の応答は含水量に対して非常に敏感であることが知られています. このシミュレーションアプリのモデルは非侵襲的がん診断のために低出力 35 GHz Ka 帯ミリ波とその水分に対する反射性を使っています.

皮膚がんは健康な皮膚よりも多くの水分を含むため, この周波数帯でより強い反射をもたらします. 従ってプローブはガン位置の S パラメーターの異常を検知します. 基本モードの円形導波管と円錐状にテーパーのかかった誘電プローブはプローブの放射特性とともに 2D 軸対称モデルを使って迅速に分析されます. 皮膚の温度変化と壊死組織の部分の分析も行われます.

プローブ放射によって誘導される温度変化を示すシミュレーションは暴露 10 分後でも 0.06 K 未満です. プローブ放射によって誘導される温度変化を示すシミュレーションは暴露 10 分後でも 0.06 K 未満です.

プローブ放射によって誘導される温度変化を示すシミュレーションは暴露 10 分後でも 0.06 K 未満です.

新しいチュートリアル:低蒸発率の多孔質媒体での蒸発

多孔質媒体での蒸発は特に食品や製紙業では重要なプロセスです. 流体, 伝熱, 関与流体の移動など, 多くの物理的効果を考慮しなければなりません. このチュートリアルモデルは湿った多孔質媒体を通る層流を説明します. 入口では空気は乾燥しており, その含水量は空気が多孔質媒体を通るに従って増加します. 蒸発率は十分に小さく多孔質媒体で誘導された質的変化を無視することができます.

更新されたチュートリアル:真空フラスコ

このアプリは, 高温流体を保持する真空フラスコから時間とともに失われる熱の量を計算します. これには温度を監視するために最近導入された等温領域機能も含まれます.

真空フラスコの中のコーヒーの 10 時間後の温度低下 (左) と最終温度 (右) プロファイル. 真空フラスコの中のコーヒーの 10 時間後の温度低下 (左) と最終温度 (右) プロファイル.

真空フラスコの中のコーヒーの 10 時間後の温度低下 (左) と最終温度 (右) プロファイル.

更新されたチュートリアル:電子筐体冷却

このアプリは新しい yPlus 代数乱流モデルを使って流れをモデル化します. 従って, 装置の中の流れをより迅速にモデル化できます. ここではメッシングとソルバー設定が単純化され, モデルのセットアップをより迅速にしています. アプリケーションは110万自由度を計算し, 約6GB のメモリを必要とします.

新しい yPlus 代数乱流モデルを使って乱流によって冷却される, 電源ユニット (PSU) の温度プロファイル. 新しい yPlus 代数乱流モデルを使って乱流によって冷却される, 電源ユニット (PSU) の温度プロファイル.

新しい yPlus 代数乱流モデルを使って乱流によって冷却される, 電源ユニット (PSU) の温度プロファイル.

新しいチュートリアル:形態係数計算

このベンチマークは互いに輻射し合う2つの同心球の幾何学的形態係数の計算方法を示します. それはシミュレーション結果と正確な分析値を比較します.

互いに輻射し合う2つの同心球の幾何学的形態係数を計算するアプリのベンチマーク幾何学的構成. 互いに輻射し合う2つの同心球の幾何学的形態係数を計算するアプリのベンチマーク幾何学的構成.

互いに輻射し合う2つの同心球の幾何学的形態係数を計算するアプリのベンチマーク幾何学的構成.