腐食解析モジュール

Primary Current Distribution インタフェース、Secondary Current Distribution インタフェース、Tertiary Current Distribution インタフェースの Thin Insulating Layer (絶縁薄層)

一般に、各種電気化学セルの電解質には薄い絶縁シートが挿入されます。 これらの絶縁シートは、耐食用の電流分布の最適化や、堆積槽における局所堆積速度の最適化などに使用します。 新しい Thin Insulating Layer (絶縁薄層) 機能は、電解質領域の内部境界にある薄い絶縁シートのモデル化に使用できます。 このノードは、主に 3D モデルにおける大幅なメッシング時間短縮のため、モデルジオメトリで実際の絶縁領域を描画する代わりに使用します。

薄い絶縁層周囲の電流の流線。 薄い絶縁層周囲の電流の流線。

薄い絶縁層周囲の電流の流線。

Deformed Geometry インタフェースの設計変更

電極付着と溶出の柔軟性を増すために、すべての Current Distribution インタフェースが電極種の付着と溶出を種の直接のモデル化できるようになりました。 この機能は、付着速度または溶着速度とジオメトリ変形の結合を処理する定義済みのマルチフィジックスノードで円滑に処理できます。

関連機能のアップデートに合わせて、Electrodeposition/Corrosion, Deformed Geometry (電着/腐蝕、変形ジオメトリ) インタフェースを再設計しました。 Select Physics (フィジックスを選択) メニューで Electrodeposition/Corrosion, Deformed Geometry インタフェースを選択すると、個々の Current Distribution インタフェースと、独立した Deformed Geometry インタフェースが 2 つのマルチフィジックス結合ノード、 Non-Deforming Boundary (非変形境界) と Deforming Electrode Surface (変形電極表面) とともにモデルに追加されます。

Electrodeposition/Corrosion インタフェースで、COMSOL Multiphysics バージョン 5.2 より前に作成したモデルは、この変更は反映されません。

新しいアプリ: Ship Hull ICCP

Impressed Cathodic Current Protection (ICCP) of a Ship Hull アプリケーションでは、3D の陰極防食システムをシミュレーションソフトウェアでモデル化する方法を披露します。 組み込みモデルは、電解質電荷輸送、限界電流密度による電極動力学、基準電極を使用した電位制御などの腐蝕モデリングの標準機能を備えています。

本アプリケーションは、海軍艦艇の ICCP をシミュレートします。 ICCP では、アクティブな陽極電極で被保護金属に陰極電流を加え、腐蝕がほとんどあるいはまったく発生しない状況まで表面電位を下げます。

印可電流の大きさは、被保護金属本体の近くに配置された基準電極に対する被保護金属本体の電位を監視して制御します。 印可電流の大きさは、他の電気化学特性とともに本アプリケーション内で自由に変更できます。

船殻の電位結果を表示した Ship Hull ICCP デモアプリケーションのグラフィカルユーザーインタフェース 船殻の電位結果を表示した Ship Hull ICCP デモアプリケーションのグラフィカルユーザーインタフェース

船殻の電位結果を表示した Ship Hull ICCP デモアプリケーションのグラフィカルユーザーインタフェース

新しいアプリ: Cyclic Voltammetry

Cyclic Voltammetry は、電気化学システムの検査で一般的な解析技法です。 この手法では、使用電極と基準電極間の電位差を、開始電位から頂点電位の範囲内で線形にスイープし、再び戻ります。 電流電圧波形 (いわゆるボルタマンモグラム) では、電解質の反応性と物質輸送特性に関する情報が得られます。

本アプリケーションの目的は、サイクリックボルタンメトリーの使用方法を披露し、シミュレートすることです。 両種のバルク濃度、輸送特性、動力学的パラメータ、サイクリックボルタンメトリーの設定は変更できます。

サイクリックボルタマンモグラムを表示した Cyclic Voltammetry デモアプリケーションのグラフィカルユーザーインタフェース サイクリックボルタマンモグラムを表示した Cyclic Voltammetry デモアプリケーションのグラフィカルユーザーインタフェース

サイクリックボルタマンモグラムを表示した Cyclic Voltammetry デモアプリケーションのグラフィカルユーザーインタフェース

新しいアプリ: Electrochemical Impedance Spectroscopy

Electrochemical impedance spectroscopy (EIS、電気化学的インピーダンス分光法) は電気分析では一般的な技法です。 本アプリケーションは、電気化学システムの周波数応答を調べます。 小さい、正弦波変化を使用電極の電位に適用し、得られる電流をその周波数領域で解析します。

インピーダンスの実数成分と虚数成分でセルの動力学的物質輸送特性の他、二重層容量で表面特性が得られます。

Electrochemical Impedance Spectroscopy 解析アプリケーションの目的は、EIS プロット、ナイキストプロット、ボードプロットを理解することです。 本アプリケーションでは、バルク濃度、拡散係数、交換電流密度、二重層容量、最大振動数、最小振動数を変化させることができます。

ナイキストプロットを表示した Electrochemical Impedance Spectroscopy デモアプリケーションのグラフィカルユーザーインタフェース ナイキストプロットを表示した Electrochemical Impedance Spectroscopy デモアプリケーションのグラフィカルユーザーインタフェース

ナイキストプロットを表示した Electrochemical Impedance Spectroscopy デモアプリケーションのグラフィカルユーザーインタフェース

Current Distribution on Edges, BEM インタフェースにおけるチューブ体積の補償

エッジ要素と境界要素法 (BEM) の使用時に、半径を指定することで、チューブの体積の影響を考慮できるようになりました。 この機能は、Current Distribution on Edges, BEM インタフェースで電解質の電荷移動方程式に使用できます。

オイルプラットフォーム構造の円筒トラスの体積補償は、Edge Radius (エッジ半径) ノードのチェックボックスで可能です。

オイルプラットフォーム構造の円筒トラスの体積補償は、Edge Radius (エッジ半径) ノードのチェックボックスで可能です。

オイルプラットフォーム構造の円筒トラスの体積補償は、Edge Radius (エッジ半径) ノードのチェックボックスで可能です。

新しいチュートリアル: Diffuse Double Layer (拡散二重層)

電極と電解質の接触面には、拡散二重層と呼ばれる空間電荷の薄層があります。 この領域では、電気的中性は維持されません。 二重層は、電気化学スーパーコンデンサやナノ電極などのデバイスをモデリングするときに関係がある概念です。

Diffuse Double Layer (拡散二重層) チュートリアルでは、グイ-チャップマン-シュテルンモデルに従って拡散二重層を記述するために、ネルンスト-プランク方程式をポアソン方程式と結合する方法を紹介します。

本シミュレーションアプリケーションでは、2 つの電極でシンプルな例を展開します。 さらに本アプリケーションでは、ファラデー (電荷移動) 電極反応も利用します。 全体の電荷保存を確保するため方程式をもうひとつ求解します。