伝熱モジュール

新しいアプリ: Finned Pipe Designer

フィン付きパイプは, 熱伝導を高めるため, クーラー, ヒーター, 熱交換器に使用します. フィン付きパイプには, 用途や要件によって, さまざまなサイズやデザインがあります.

フィンをパイプ外部に配置すると, パイプの熱交換面の面積が広がって, 冷却外部流体や加熱外部流体による熱交換効率が良くなります. フィンをパイプ内部に配置すると, 熱交換面の面積の広がりで内部流体の効率が良くなります. 特にスペースが限られているパイプ内側では, フィンの代わりに溝を利用しても熱交換面の面積を拡げることができます.

Finned Pipe Designer アプリケーションでは, 内側フィンと外側フィン, または溝を事前定義した長い円筒パイプをカスタマイズして, その冷却効果の観察と評価ができます. 本アプリケーションは, 水を充填して, 強制対流によって周囲の空気で冷却/加熱されたパイプの熱性能を計算します.

外部構造 (ディスク積層ブレード, 円形溝, らせんブレード, らせん溝, またはなし) と内部構造 (直線溝またはなし) に対して各種ジオメトリ構成が用意されています.

本アプリケーションは, 消散エネルギーと圧力低下をジオメトリと気流速度の関数として計算します.

Finned Pipe Designer アプリケーションのユーザーインタフェースにはパイプ設定 (ジオメトリ特性と動作条件) とシミュレーション結果 (速度と温度) が表示されます. Finned Pipe Designer アプリケーションのユーザーインタフェースにはパイプ設定 (ジオメトリ特性と動作条件) とシミュレーション結果 (速度と温度) が表示されます.

Finned Pipe Designer アプリケーションのユーザーインタフェースにはパイプ設定 (ジオメトリ特性と動作条件) とシミュレーション結果 (速度と温度) が表示されます.

新しいアプリ: Thermoelectric Cooler

熱電冷却器は, コンシューマ製品から宇宙船の設計まで, さまざまな用途分野の電子冷却に広く使用されています. ペルチェ効果を活かした熱電冷却器は, 冷温 2 枚の熱伝導性のプレートに挟まれた数本の熱電脚で構成されています. 各種用途でさまざまな熱電冷却器の構成があります.

Thermoelectric Cooler アプリケーションは, さまざまな熱電対サイズと分布のさまざまなサイズの単段熱電冷却器の基本設計に対応します. 本アプリケーションは, 特定用途における最適な熱電冷却器を探すときに便利です. 製造者は, 設計の最適化と用途関連性能値の提供にも本アプリケーションは利用できます. また, 本アプリケーションは, 追加入力オプションにおけるより詳細な計算のスタートラインとしても利用でき, 多段熱電冷却器にも展開できます.

具体的には, さまざまな熱電冷却器の各種コンポーネントの幾何学的パラメーター, 熱電脚を構成している材料, そして一部の動作条件をためして結果を確認します.

Thermoelectric Cooler アプリケーションのユーザーインタフェースと設計の設定, 材料, 動作条件. Thermoelectric Cooler アプリケーションのユーザーインタフェースと設計の設定, 材料, 動作条件.

Thermoelectric Cooler アプリケーションのユーザーインタフェースと設計の設定, 材料, 動作条件.

新しいアプリ: Measuring Thermal Conductivity Through the Flash Method

フラッシュ法は, ほぼコイン程度の厚さの薄いサンプル材料の熱伝導率の計測で広く利用されています. サンプル材料の片方の面にレーザーパルスを当てます. 逆の面を, 約 1 K 加熱します. パルスは均等で, 厳密に定義されているので, 温度変化を片側の面で計測できます. こうして, サンプルの熱伝導率を高い精度で計測できます.

Flash Method シミュレーションアプリケーションは, 実世界の実験を再現します. またこのアプリケーションには, この方式と実験の精度を左右する実験パラメーターを定義するオプションがあります. したがって, サンプルの高さ, 半径, 材質を指定できます. また, 周囲温度の設定, 対流効果と輻射効果の有効化/無効化, サンプルとエンクロージャ両方の熱伝導係数の表面放射率の値のカスタマイズも可能です.

熱伝導率を決定するフラッシュ法の設定と温度プロファイルを示した, 本アプリケーションのユーザーインタフェース. 熱伝導率を決定するフラッシュ法の設定と温度プロファイルを示した, 本アプリケーションのユーザーインタフェース.

熱伝導率を決定するフラッシュ法の設定と温度プロファイルを示した, 本アプリケーションのユーザーインタフェース.

Symmetry Plane for Surface-to-Surface Radiation (表面対表面放射の対称面)

COMSOL Multiphysics バージョン 5.2 の新しい機能は, 2D, 2D 軸対称, 3D ジオメトリの表面対表面放射の伝熱シミュレーションに対称面を組み込みました. この手法を適用できる場合, これにより, ジオメトリの半分だけを表現して, 表示要因の計算が倍の処理速度ですみます. また, すべての独立変数について必要なメッシュ要素数が半分に減ります.

Thin Layers (薄層) の External Temperature (外部温度)

層タイプを Resistive (抵抗)General (全般) に設定すると, Thin Layer (薄層) 機能の下には External Temperature (外部温度) サブ機能が表示されます. 外部境界に適用できるこの機能では, 層の外側の温度を指定すると, モデルで, その層内と, 内面の温度を決定します.

伝熱係数のための追加的相関関係

伝熱係数ライブラリには, 縦型の薄肉円筒周囲の自然対流における新しい対流伝熱係数相関を追加しました. この伝熱係数により, 非等温流のシミュレーションを円筒境界の熱流束条件に置き換えることができ, 計算コストを節約できます.

Thin Film (薄膜) 機能と Fracture (破砕) 機能の新しいサブ機能

新しい 4 つのサブ機能セットは, Thin Film (薄膜) 機能と Fracture (破砕) 機能で利用できるモデリング機能を拡張します. これらのサブ機能は, Thin Layer (薄層) 機能の既存機能に似ています.

Temperature (温度) サブ機能 * 薄膜や割れ目の薄い境界を表すエッジセット上の温度の指定に使用します. この条件は, 薄膜や割れ目の入口が外側エッジにあるときに必要です. Line Heat Flux (熱線流束) サブ機能* 薄膜や割れ目を通る熱流束を定義します. このユーザーインタフェースには, オプションとして, General inward heat flux (一般内方熱流束), Inward heat flux (内方熱流束), 3D models (3D モデル), Overall heat transfer rate (全体伝熱率) があります. Surface-to-Ambient Radiation (面対周囲放射)サブ機能 * 薄膜や破砕の薄い境界を表すエッジセット上の表面対周囲放射を定義します. このユーザーインタフェースでは, 周囲温度と表面放射率を入力できます. これらのパラメーターでは, 正味入力熱流束を定義します. Source (熱源) サブ機能* 薄膜や割れ目内の内部熱源を定義します. このサブ機能には, 熱源定義用に, General Source (一般熱源) と Overall heat transfer rate (全体伝熱率) という 2 のオプションがあります.

熱伝でアップデートしたソルバー設定

伝熱インタフェースのデフォルトソルバー設定をアップデートしました. モデルに非等温流カップリングノードがない限り, 大型モデルのマルチグリッドソルバーでは, SOR Line (SOR ライン) の代わりに SOR をプレスムーザーとして使用します. これで, 計算時間を短縮できます. また, 分離ソルバーを使用する場合, 温度単位の設定が Kelvin であれば, 温度下限ゼロが追加されます.

熱電ドキュメントのアップデート

COMSOL Multiphysics バージョン 5.2 では, 明瞭性と一貫性のために, Heat Transfer モジュールのドキュメントをすべて改訂しました. 新しいドキュメント構成では, 新たなセクションを追加しました. 具体的には, 新しいドキュメントセクションでは, Heat Transfer インタフェースに生成されるデフォルトソルバーと, 境界で使用できる温度変数を解説します.

COMSOL Multiphysics バージョン 5.2 でアップデートされた Heat Transfer モジュールのドキュメント COMSOL Multiphysics バージョン 5.2 でアップデートされた Heat Transfer モジュールのドキュメント

COMSOL Multiphysics バージョン 5.2 でアップデートされた Heat Transfer モジュールのドキュメント