非線形構造材料モジュールアップデート

非線形構造材料モジュールをご使用の場合, COMSOL Multiphysics® バージョン5.2a では超弾性材料モデルの機能が強化され, 大ひずみ粘弾性をモデル化できる他, 移動硬化と等方硬化のための新しい材料モデルが加わり, これらのモデルを組み合わせて弾塑性材料をモデル化できます. 非線形構造材料モジュールのアップデートの詳細は, 以下のとおりです.

大歪み粘弾性

超弾性材料モデルの機能が強化され, 粘弾性を追加できるようになりました. 有限歪み粘弾性モデルには, 小ひずみで既に利用可能なものと同じ機能があります.

  • 一般化マクスウェル, 標準線形固体, ケルビン・フォークトモデル.
  • WLF (ウィリアムズ・ランデル・フェリー) の式, アレニウスの式, ユーザー定義による温度シフト機能.
超弾性材料 モデルノードを右クリックすると, 粘弾性 サブノードを追加することができます.

超弾性材料 モデルノードを右クリックすると, 粘弾性 サブノードを追加することができます.

超弾性材料 モデルノードを右クリックすると, 粘弾性 サブノードを追加することができます.

等方硬化と移動硬化の組み合わせ

弾塑性材料を対象とする硬化機能が強化され, 可塑性モデルで等方硬化と移動硬化を任意に組み合わせることができます. 以前のバージョンでは, 塑性硬化は等方硬化または移動硬化によってのみ表すことが可能でした. これら2つのモデルの組み合わせが可能となったことで, 負荷, 除荷のより現実的なシミュレーションを行えます.
線形等方硬化モデルと線形移動硬化モデルを両方共有効にした可塑性ノードの設定.

線形等方硬化モデルと線形移動硬化モデルを両方共有効にした可塑性ノードの設定.

線形等方硬化モデルと線形移動硬化モデルを両方共有効にした可塑性ノードの設定.

可塑性の新しい等方硬化モデルと移動硬化モデル

Plasticity (可塑性)モードに以下の4つの等方硬化モデルが新たに導入されました.

  1. Ludwik
  2. Swift
  3. Voce
  4. Hockett-Sherby

可塑性の等方硬化モデルに新たに導入されたルードウィックモデルの使用例を示すアプリケーションライブラリへのパス:

Fatigue_Module/Stress_Based/standing_contact_fatigue

Fatigue_Module/Stress_Based/standing_contact_fatigue

Plasticity (可塑性)ノードに以下の2つ移動硬化モデルが新たに導入されました.

  1. Armstrong-Frederick
  2. Chaboche