粒子追跡モジュールアップデート

粒子追跡モジュールをご使用の場合、COMSOL Multiphysics® バージョン 5.2a では新しい定式化が加わり、粒子軌道プロットが強化され、新しい乱流拡散オプションが用意されている等、機能強化が図られています。 粒子追跡モジュールのアップデートの詳細は、以下のとおりです。

一次ニュートン定式化

すべての 粒子追跡 フィジックスインターフェースについて、設定ウィンドウの定式化リストに ニュートン、一次 定式化が追加されています。 ニュートン定式化では粒子ごとの位置ベクトルの成分についての二次方程式を定義しているのに対し、一次ニュートン定式化では連成した粒子の位置と速度成分を組み合わせた一次方程式を定義しています。

一次ニュートン定式化は、二次定式化と同じ機能をすべてサポートしていますが、陽的時間ステッピング法と組み合わせやすくなっています。 一次ニュートン定式化を選択すると、デフォルトの時間ステッピング法は、典型的な二次陰解法ではなく、高次ルンゲクッタ法なので、ある種のノンスティッフ問題でのパフォーマンス高速化につながります。

粒子軌道プロットの機能強化

粒子-壁間相互作用時間に近い時間ステップが追加され、粒子軌道を自動的に保存できるようになりました。 通常、これらの追加時間は、粒子が境界と相互作用する時間に近い時間となるよう自動的に選択されるので、ポストプロセスの際に粒子-壁間相互作用がより正確に表現されます。 Store extra time steps for wall interactions(壁間相互作用の追加時間ステップを保存) チェックボックスを選択することで、スタディ設定で指定されているステップの他に、追加の時間ステップが自動的に保存されます。

重力の影響による単一の跳ね返り粒子の軌道に関して、追加の時間ステップを保存する際に、跳ね返りごとに正確な位置が粒子軌道プロットで見やすくなりました。 重力の影響による単一の跳ね返り粒子の軌道に関して、追加の時間ステップを保存する際に、跳ね返りごとに正確な位置が粒子軌道プロットで見やすくなりました。
重力の影響による単一の跳ね返り粒子の軌道に関して、追加の時間ステップを保存する際に、跳ね返りごとに正確な位置が粒子軌道プロットで見やすくなりました。

Particle Beam (粒子ビーム) の強化

Particle Beam(粒子ビーム)機能に新しいオプションが加わり、メッシュに依存せずに済むようになりました。

  • Sampling from phase space ellipse(位相空間楕円からサンプリング) オプション、Uniform(均一)は、KV に名称が変わりました。 また、位相空間分布が少し変わり、解を再計算する際に小さな変化が解に現れることがあります。
  • Sampling from phase space ellipse(位相空間楕円からサンプリング) の新しいオプションとして、Waterbag(ウォーターバッグ)とParabolic(放物面)の2つが加わりました。 これらの分布関数は、位相空間における別の粒子出射を提供します(下記を参照)。
サンプリングオプション 向き 速度指定 可視化表示
Waterbag 縦型 Twiss パラメーター
放物型 縦型 Twiss パラメーター
Waterbag 非縦型 Twiss パラメーター
放物型 非縦型 Twiss パラメーター
Waterbag 縦型 楕円寸法
放物型 縦型 楕円寸法
Waterbag 非縦型 楕円寸法
放物型 非縦型 楕円寸法

乱流拡散の新しいオプション

乱流拡散項を抗力機能に適用するためのオプションを全面的に改訂しました。 Turbulent dispersion(乱流拡散)チェックボックスに代わり、Turbulent dispersion model(乱流拡散モデル)リストが表示されます。 乱流拡散項を再現する Discrete random walk(離散ランダムウォーク) モデルに加え、乱流渦生存時間を予測して乱流拡散項の乱数シーディングの制御に用いる Discrete random walk, variable time step(離散ランダムウォーク、可変時間ステップ) を選択することができます。 通常、こうすることで、ソルバーが実行する時間ステップが十分に小さければ、乱流変動性の精度が向上します。 また、Continuous random walk(連続ランダムウォーク) モデルを選択し、ランジュバン方程式を統合することで、乱流拡散により発生する速度摂動を粒子ごとに計算することができます。

 
配管曲り部浸食: 沈降粒子は配管曲り部の壁面に衝突します。 液中の乱流拡散のため、入射粒子は拡散します。 壁面のカラー表現は、入射粒子による侵食摩耗速度に比例します。

出射モデリングと液滴分裂の新しいツール

外部から力が加わった結果として分裂する可能性のある液滴として粒子をモデル化できるようになりました。 新機能 Droplet Breakup(液滴分裂)には、微小液滴への液滴分裂の2種類の物理機構に対応するKelvin-Helmholtz(ケルビン・ヘルムホルツ)分裂モデルとRayleigh-Taylor(レイリー・テイラー)分裂モデルという 2つの分裂モデルが組み込まれています。 さらに、新しいノズル機能を使い、液滴をモデリング領域に噴霧することができます。

噴霧角度を直接指定することも、ケルビン・ヘルムホルツ不安定性に基づき組み込まれている方程式を使用することもできます。 ノズル機能を追加するには、流体粒子追跡 インターフェースノードで 粒子質量を計算 チェックボックスと マクロ粒子を有効にする チェックボックスを選択しておく必要があります。

 
クロスフロー中の液滴噴霧は、液滴分裂と乱流の複合効果により拡散します。

流体粒子追跡コンテキストメニューの再編成

流体粒子追跡 インターフェースのコンテキストメニューを整理して見やすくしました。 すべての力は別途 サブメニューにまとめられています。 同様に、Compute particle temperature(粒子温度を計算) チェックボックスを選択すると、すべての熱源が別途 Thermal(熱)サブメニューにまとめられます。