ポストプロセスおよび可視化アップデート
COMSOL Multiphysics® バージョン5.3a では新しいレンダリングと可視化機能が導入され, いくつかの機能が改善されました. 色覚弱者のために最適化された新しいカラーテーブル, SpaceMouse® 製品の使用, WebMフォーマットでのアニメーションのエクスポートが可能になりました. COMSOL Multiphysics® バージョン5.3a の全ての新しいレンダリングと可視化のアップデートを以下にご紹介します.
Cividis カラーテーブル
この新しいカラーテーブルはスカラーデータの可視化のために最適化されています. このカラーテーブルはPacific Northwest National Laboratory (PNNL) のJamie Nuñez, Ryan Renslow, Christopher Anderton によって提供されたカラーマップを下に開発されたもので, 特に色覚弱者に向いています.
従来のカラーテーブルと比較して, Cividisは次の3つの利点を持っています:
視覚的に一様な色変化を与えます
a. レインボーカラーテーブルとは異なり, Cividisでは最大値を表す最大明るさの色まで滑らかに変化します。これにより本当に重要なフィーチャーを際立たせて, フィーチャー間の直接比較が容易になります.グレースケールよりも優れています
a. 人間は約100万の色調(色相)を見分けることができますが, グレーの階調については30階調しか識別することができません. これがグレースケールを使うときの欠点です. つまり, ある解があるカラーマップで際立った部分を表示しても, グレースケールではその際立ちが見えないことがあります.色覚弱者に対して優しいカラーマップです
a. Cividisカラーテーブルは色覚弱者のことを特に念頭にして開発されたものです. このカラーテーブルは完全な赤-緑色盲者と健常者の両者に最適化してありますが, 他の色覚弱者にとっても適したカラーテーブルです.
3Dconnexion SpaceMouse®のサポート
3DConnexion 社の SpaceMouse®製品を使ってグラフィックスウィンドウのカメラをコントロールすることができるようになりました. 3Dconnexion SpaceMouse®製品を使って片手でカメラを動かすと同時に, 反対の手で通常のマウスを使ってジオメトリのエンティティを選択することができます. また, ポストプロセスにおいて面白くてユニークな表示をより簡単に生成することができます.
3Dconnexion SpaceMouse®製品であなたのモデルのジオメトリの中や周りを自由に操作することができます.
3D ナビゲーションにおける改善
3D ナビゲーションを改善する新しい2つの機能がグラフィックスウィンドウに加わりました. 回転軸の制御と軸周りのカメラの回転です. 3D でのモデリングにおいて, 回転中心がカレントビューに従って自動的に更新されるようになりました.マウスポインターをジオメトリ上で動かしながら, 真中のスクロールボタンをクリックすると, マニュアルでも回転中心を設定することができます. デフォルトでは回転アイコンは隠れています. 環境設定ウィンドウのグラフィックス>プロットウィンドウセクションでアイコンの可視化を, 「常に表示」, または「マウスアクションでのみ表示」のどちらかに変更することができます. また, マウスを回転させるときに, x, y, zのどれかのボタンを押しておくとx, y, z軸周りに回転させることができるようになりました.
モデルのプロットデータハンドリング
従来, プロットを表示する度に時間がかなりかかる場合がありました. これを改善するために, プロットデータをモデルの中に保存することが新しくできるようになりました. これにより表示に時間がかかるのは最初の一度だけになります. この効果は特に流線プロット, 遠方場プロット, 境界要素法を使うモデルにおけるプロットで有効です.
また, 従来はソルバーがスタディを実行し終わった後にもプロットデータを再生成するのに時間がかかることがありました. そこで, ソルバーが計算完了した時のソルバーシーケンスと関連する全プロットデータを再計算するオプションが新たに加わりました. これにより, 全てのプロットを一度の操作で遅延なく調べることができます.
WebMアニメーションのエクスポート
COMSOL Multiphysics®でアニメーションを作成して, WebM フォーマットでエクスポートすることができるようになりました. これによりウェブ用の高品質のアニメーションを作成できるようになりました. これらのファイルは適合するウェブブラウザーで直接再生するか, メディアプレーヤーで開くか, ビデオホスティングサイトにアップロードすることができます. アドオンを加えることで解決する場合がありますが, 全てのブラウザーとメディアプレーヤーが WebM フォーマットに対応している訳ではありませんのでご注意ください.
次に示すのは2つのアニメーションで, COMSOL Multiphysics®ソフトウェアから WebM フォーマットでエクスポートされたものです. これらのアニメーションはこのページからダウンロードすることができます. ガウス爆発アニメーションは同じ名前のアプリケーションライブラリモデルから生成されました. 上昇バブルアニメーションはアプリケーションライブラリモデル, rising_bubble_2daxi を修正したものから生成されました.
WebMとしてエクスポートする際の可能な設定
- 「コーデック」: VP9 (推奨) or VP8
- 「品質」: 1–100 のスケール, 低~高品質
- 「ロスレス」: 最大品質でエクスポートするにはこのボックスをチェック
- 「詳細パラメーター」: 「自動」 がほとんどの場合で推奨. マニュアル設定の場合は COMSOL Multiphysics レファレンスマニュアル を参照
デフォルトの 1920x1440 解像度でエクスポートされたガウス爆発アニメーション
ロスレス品質でエクスポートされた上昇バブルアニメーション
1D プロットフィルター
2D プロットと 3D プロットでは長く使われてきた機能ですが, フィルター特性が 1D のグローバルプロット, ポイントグラフ, ライングラフプロットで利用可能になりました. Filter は特定のプロットの興味のある部分だけを表示する論理式を書くことができる特性です.
最初, 前, 次, 最後のプロットボタン
複数の結果を持つプロットグループにおいて, 前をプロット _, _次をプロット _のボタンに加えて, _最初をプロットと最後をプロットのボタンが新たに増えました. 複数の結果のあるプロットグループで, これらのボタンを押すと, データセットの最初, または最後の結果を表示させることができます. ドロップダウンリストから特定の結果を選びたくない場合に便利です.
ハードウェア加速画像生成
COMSOL Multiphysics®で画像をエクスポートする際, デフォルトでソフトウェアのレンダリングを使って画像をエクスポートします. しかし, このオプションをオフにして, あなたのコンピューターのグラフィックスカードを使って画像生成を加速することができます. この機能はコンピューターによって異なりますので, よりよいグラフィックスカードがあれば, よりよい結果になります. このオプションを有効にするには, ファイル > 環境設定 > グラフィックスとプロットウィンドウ で画像エクスポート セクションの"画像エクスポートにソフトウェアレンダリングを使用."チェックボックスの選択を外してください.
3Dconnexion と SpaceMouse Société Civile "GALILEO 2011" の登録商標です.