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COMSOL Multiphysicsを用いた銀焼結接合SiCダイ搭載AMB基板の残留応力・反り解析
Published in 2026
SiCパワー半導体モジュールは高温・高出力動作に適する一方、SiC、焼結銀、Cu、Si₃N₄およびエポキシモールド樹脂の熱膨張係数と弾性特性の差により、製造後に残留応力や反りが生じ、界面剥離やクラックの要因となる。本研究では、銀焼結接合によりSiCダイをAMB基板へ搭載した三次元構造を対象に、封止前に形成される残留応力を考慮した上で、モールド封止の有無およびモールド厚さが応力・変形に及ぼす影響を評価した。解析にはCOMSOL Multiphysicsおよび構造力学モジュールを使用した。SiCを異方性線形弾性体、その他の材料を等方性線形弾性体として設定し、四面体メッシュと剛体変位を防止する拘束条件を適用した。デバイス部材では銀焼結温度の250 ℃、モールド材では硬化終了温度の175 ℃をストレスフリー温度とした。モールド材を低剛性とした注入直後の状態、硬化後物性への切替え、25 ℃までの冷却という三段階の定常解析により封止工程を再現し、反り、フォン・ミーゼス応力および厚さ方向垂直応力を評価した。解析の結果、封止前残留応力を考慮しない場合、封止後の応力を過小評価することが分かった。モールド材は基板の反りならびに溝部・端部の応力集中を低減した一方、厚さが約1.0~1.5 mmを超えるとチップ内の最大フォン・ミーゼス応力が増加した。以上より、モールド厚さの設計では反りの抑制と内部応力の増加を併せて考慮し、銀焼結工程から封止工程までの残留応力形成を連続的に解析することが重要である。
