デザインモジュールアップデート

デザインモジュールのユーザー向けに, COMSOL Multiphysics® バージョン5.6では, ブール演算を高度化, 拘束と寸法機能を改善しました. 具体的な内容は下記を参照してください.

デザインモジュールブール演算

デザインモジュールには, 3D モデルで作業する際にジオメトリ設定ウィンドウで有効化できる高度化されたブール演算のサポートが加わりました. 例えば, 完全には一致しない接触面を持つオブジェクトの和集合を計算する場合など, これらのブール演算を有効にすることで複雑なケースでより良い結果を得られることが期待できます.

水平拘束と垂直拘束

新しい水平拘束と垂直拘束機能によって, 直線エッジをx軸とy軸に平行になるよう容易に拘束することが可能になりました. これまでは, 寸法値がゼロに設定されたx距離とy距離の寸法は, 同じ拘束が実現できるようにエッジポイントに適用されていました.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI showing the Sketch ribbon tab, Vertical constraint settings, and a sketch in the Graphics window.
図面で強調されている垂直拘束は, y軸と平行になるようにエッジを拘束します.

寸法測定と寸法パラメーターの測定

ジオメトリを拘束せず, 単に寸法測定だけをすることができるようになりました. 寸法を規定寸法に変更するには, ロックアイコンを規定値のところで右側に切り替えます. パラメーター作成チェックボックスを選択し, 寸法からパラメーターを作成することもできます. 例えば, このパラメーターは拘束付きでジオメトリやメッシュおよびフィジックスに使用できます. 別の2Dジオメトリフィーチャの式で使用する場合, 式はパラメーターに線形依存しなくてはなりません. パラメーターは, 拘束寸法と測定寸法の両方から作成できます.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI showing the Sketch ribbon tab, Distance 6 settings, and a sketch in the Graphics window.
図でハイライト表示されている測定寸法により, 描かれたオブジェクトの全幅を簡単に評価できます. 寸法パラメーターを作成し, その値をジオメトリシーケンスの他の操作で参照することが可能です.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI showing the Sketch ribbon tab, Distance 7 settings with geom1.dist6/3 highlighted, and a sketch in the Graphics window.
図でハイライト表示されている寸法計算式には, 図面の全幅を評価するために設定した測定寸法で定義したパラメーターが含まれています.

自動拘束作成

スケッチツールバーの新しい拘束ボタンは, ジオメトリにスナップというオプションをオンにして頂点を描画またはドラッグするときに, 適切な拘束を自動的に追加します. 例えば, 垂直にスナップする多角形の連続したセグメントを描画中に拘束ボタンを有効にすることで垂直拘束を自動作成できます.

干渉の検出

デフィーチャーと修復メニューに加えられた干渉検出ツールによって, オブジェクト間の干渉を検出できます. このツールは, 入力としてのソリッドやサーフェスをサポートし, 交差や接触, ギャップや包含を検出します. この機能は Creating a Fluid Domain Inside a Solid Structure チュートリアルモデルで使われています.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI showing the Geometry ribbon tab, the Detect Interferences tool, and a model geometry in the Graphics window.
このインポートされた CAD アセンブリでは, 干渉に関わっているオブジェクトや面についての情報などを含め, 交差や接触, ギャップが検出されます. ギャップはギャップ距離とともに一覧表示され, 「選択にズーム」ボタンを使用すると, ジオメトリ上の干渉面の位置を簡単に見つけます.

チェック機能

デフィーチャーと修復メニューに追加された新しいチェック機能を使い, CAD オブジェクトの障害を検出できます. 面の削除操作の後など, ジオメトリシーケンスにチェックノードを追加し, 障害のある面を置き換えた後に問題が残っていないかどうかを確認します.

フェース削除操作を使用して障害のあるフェースを置き換えた後, このジオメトリに障害は残りません.

新しく更新された CADファイル形式バージョンのサポート

CAD ファイルのインポート・エクスポート機能が拡張され, 下記のファイル形式の新バージョンがサポートされるようになりました:

ファイルから読込

  • AutoCAD® (.dwg, .dxf): 2021
  • PTC Creo Parametric™ (.prt, .asm): 7.0
  • Inventor® (.ipt, .iam): 2021
  • NX™ (.prt): 1899
  • Parasolid® (.xt, .xb, .xmttxt, .xmtbin): 33.0

ファイルへ書込

  • Parasolid® (.xt, .xb, .xmttxt, .xmtbin): 33.0

Autodesk, Autodesk のロゴ, AutoCAD , および Inventor はアメリカおよび/または他国の Autodesk, Inc. および/またはその子会社, 関連会社の登録商標または商標です. Parasolid と NX は, アメリカおよび他国における Siemens Product Lifecycle Management Software Inc. またはその子会社の商標または登録商標です. PTC, Creo および Creo Parametric はアメリカおよび他国における PTC Inc. またはその子会社の商標または登録商標です.