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COMSOL Multiphysics® 5.6 リリースハイライト

ポスト処理と可視化アップデート

COMSOL Multiphysics® バージョン5.6は, インタラクティブなクリッピング, 部分的な透明度, およびプロットでの材料の視覚化を提供します. COMSOL Multiphysics® バージョン5.6に含まれる全てのポスト処理および視覚化のアップデート詳細については以下をご覧ください.

インタラクティブクリッピング

周囲のオブジェクトの内側にあるエッジ, 境界, およびドメインを簡単に選択できるようにするために, インタラクティブクリッピングが使用できるようになりました. 平面, ボックス, 円柱, 球を追加して, ジオメトリのどの部分を表示するかを選択します. インタラクティブなクリッピング機能は, モデルビルダー全体で機能し, グラフィックスツールバーのメニューボタンから利用できます. ツールバーボタンをクリックすると, デフォルトで, 「クリッププレーン」ノードがビューノードに追加され, 設定ウィンドウまたはグラフィックスウィンドウでインタラクティブに調整できる設定が表示されます. 複数のクリップ面を追加して同時に使用できます.

A gray induction motor model with the inside exposed at the top, by way of clipping.
誘導モーターのモデルのクリップ面. 中央に表示されるギズモを使用すると, オブジェクト内のドメインと境界を視覚化して選択するために, クリップ平面をインタラクティブに移動および回転させることができます.

部分的な透明性

3D プロットを操作するときに, 全体的ではなく個々のプロットに透明度を追加できるようになりました. 各プロットで異なる透明度を使用することにより, プロットグループで強調表示するプロットを選択できます. プロットに「透明度」属性を追加した後, 透明度の量(0～1)を指定できます.

A cavity filter model is visualized as partially transparent and the direction of the electromagnetic field inside is shown with arrows.
キャビティフィルターのモデルにおける部分的な透明度.

プロット内の材料の外観と環境マッピング

材料の可視化が改善され, プロット内の材料を可視化するためのサポートが追加されました. これで, 一部のプロットがシミュレーションの結果を示し, 他のプロットが材料のある部分における材料外観を表示するような混合可視化を作成できるようになりました. 材料の外観と表面色を混在させることもできます. 「材料外観」機能は, 個々のプロットに追加される属性です.

さらに, グラフィックスツールバーから「環境反射」を選択して, デバイスの周囲の事前に分かった実際のフォトリアリスティックな環境の反射を, デバイスの表面上に作成することも可能となりました. これにより, よりリアルな材料の外観が得られます.

A closeup view of a bike fork model with a photorealistic material appearance; the metal shines and the surroundings are reflected.
マウンテンバイクフォークの構造解析プロット. 塗装された黒い表面の応力は分析とは関係がなく, クロムの表面の応力も関係ありません. フォンミーゼス応力は, 影響を与えるのに十分な大きさの表面にのみプロットされます.

画像の埋め込み

表面上の画像を 2D および 3D で表示できるようになりました. シミュレーションの結果を地図や背景画像などと組み合わせて, 混合可視化を作成します. 画像は, 任意の式または事前定義された平面, 円柱, 球のマッピングを使用して表面上にマッピングできます.

A model of Earth with the inside exposed, showing blue seismic waves, and a satellite map embedded on the spherical model's surface.
地球の内部構造を通る地震波. 地球の衛星画像は, Wikimedia Commons を介してパブリックドメインとなっています.

A snapshot of the moment a golf ball is being hit by a golf club, where the ball is deformed on impact and the acceleration is shown in rainbow.
ボールを打つゴルフクラブのインパクトモデル. ボールは衝撃で大きく変形します. 表面プロットのゴルフボール表面に, COMSOL ロゴがマッピングされています. ゴルフクラブの表面の色は, 衝突後350マイクロ秒の表面加速度を示しています.

メッシュプロットの高次要素

メッシュプロットを使用して, 高次の要素ノード, 求解される場およびジオメトリ形状関数に対応するノード点を視覚化できるようになりました.

The meshed model of twisted static mixer blades with yellow and blue streamlines.
層流静的ミキサーのねじれたブレードの3次要素と節点. 流線は混合されている2つの流れを示しています.

1Dプロットのグラフマーカー

プロットのグローバルおよびローカルの最大値と最小値の両方を強調表示するグラフマーカーを 1D グローバルプロットとポイントグラフプロットに追加し, x-y値をレポートすることができます. 例えば, S パラメータープロットで通過帯域と阻止帯域の幅をプロットするオプションもあります. この機能は, Detecting the Orientation of a Metallic Cylinder Embedded in a Dielectric Shell モデルで示されています.

A 1D plot with the max and min values of the radar cross section and polarization angles shown with two graph markers.
レーダー断面積の最小値と最大値 (dB スケール). それぞれの偏光角が円柱方向モデルで強調表示されています.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI with the graph marker settings shown for a model of a circular waveguide filter's passband.
円形導波管フィルターの通過帯域と, 反射が最小になる周波数を示すグラフマーカー.

分割データセット

分割データセットは, 以前のソフトウェアバージョンで利用可能な フィルターデータセットの一般化であり, 等値面または等高線のセットに関してドメインを分割化することを可能にします. 結果のサーフェスメッシュまたはボリュームメッシュは, メッシュインポートのソースとして使用したり, その後のシミュレーションで使用したりできます. 例えば, 陰的代数式または計算された場の解を利用して, 等値レベル値に基づいてオブジェクトを複数の固体および流体パーツに分割できます. これにより, 陰的なモデリング操作を使用して作成されたメッシュジオメトリでのマルチフィジックスシミュレーションが可能になります.

An orange model of a gyroid structure with partial transparency to show the inside.
分割データセットを使用して, 3つのドメインを持つこのジャイロイ ド構造を作成しました. ジャイロイドチャネルは, 新しい部分透過機能を使用して可視化されます.

ユーザー定義関数の周波数スペクトルプロット

解析関数, 補間関数, 波形関数など, ユーザー定義関数の周波数スペクトルを可視化できるようになりました.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI with the 1D Plot Group settings shown and a frequency spectrum plot shown in the Graphics window.
y軸に沿った対数スケールを使用して可視化された滑らかなのこぎり波関数の周波数スペクトル.

埋め込みデータセット

埋め込みデータセットを使用すると, 1D ソリューションデータを 2D プロットに埋め込み, 2D ソリューションデータを 3D プロットに埋め込むことができます. これは, 矢印を使用して面外ベクトル量を可視化する場合に特に便利です.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI with the Surface plot settings shown and a structural plate model in the Graphics window.
埋め込みデータセットを使用して 3D で可視化された構造プレートの 2D モデルへの負荷.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI with the Arrow Surface plot settings shown and a circularly polarized light model in the Graphics window.
埋め込みデータセットを介して 3D で可視化された円偏光の2Dモデル.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI with the Embed 2D plot settings shown and an axisymmetric coil model in the Graphics window
3D で可視化された 2D 軸対称コイルモデル. 方位角電流と磁束密度場を示しています.

波形オーディオファイル形式(.wav)エクスポート

時間対領域の 1D プロットは, 波形オーディオファイル形式(.wav)にエクスポートできます. さらに, 音響モジュールで利用可能な「インパルス応答」プロットもこの形式にエクスポートできます. 8ビットまたは16ビットとしてエクスポートするか, サンプリング周波数を変更するかを選択できます.

A closeup view of the COMSOL Multiphysics Model Builder and settings for the Left Channel Acoustic Signal plot with the wav file type selected for the output audio.
.wavファイル形式にエクスポートするための新機能の設定. この例では, さまざまな回転速度での動作中に電気モーターによって生成されるノイズを分析します. 高調波なども含みます. サウンドは, 左右のオーディオチャンネルに対応する2つの異なる場所にエクスポートされます.

テーブル注釈プロット

新しい「テーブル注釈」プロットを使用して, ユーザー定義テーブルに基づいて複数の注釈を表示します. 注釈を配置するための座標は, グローバルパラメーターに関する数値または式のいずれかです.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI with the Table Annotation plot settings shown and an acoustic pipe system model in the Graphics window.
テーブル注釈プロットを使ったパイプ音響シミュレーション

レポートにおける Microsoft® PowerPoint® プレゼンテーション

レポート作成で PowerPoint® スライドが追加できるようになり, プレゼンテーションでモデルを説明できるようになりました. モデルツリーのブランチからスライドショーの構造を定義し, 含めたいモデルツリーの別の部分の機能を選択することができます. 自分のブランドの PowerPoint® テンプレートを追加することもできます.

The COMSOL Multiphysics version 5.6 UI showing the reports branch in the Model Builder with COMSOL Template highlighted, Presentation Template settings, and a micromixer model in the Graphics window.
レポート作成機能で自分がスライドショーで使いたい構造, コンテンツ, テンプレートを制御することができます.

その他の新しい機能

  • 注釈中の座標ベクトル
    • 座標ベクトルを入力するか, カットポイントデータセットを使用して注釈を配置できるようになりました.
  • 1D プロットの線分
    • 新しい線分機能を使用すると, x座標とy座標のシーケンスを入力して, 補助線分を1Dプロットに追加できます.
  • エラーバー
    • 新しい「エラーバー」サブ機能により, 1D グローバルおよびポイントグラフプロットにエラーバーを追加できます.
  • エクスポート用の列区切り記号
    • エクスポート > データおよびエクスポート > プロット機能で作成されたファイルに使用される列区切り文字のタイプを制御できるようになりました.
    • 列, スペース, タブ, カンマ, セミコロン, コロン, 垂直バー (パイプ) から選択します.
  • ポイントプロット
    • ジオメトリの頂点の点を球, ブロック, または楕円体として可視化できます.