半導体モジュールアップデート
半導体モジュールのユーザー向けに, COMSOL Multiphysics® バージョン5.6には, 多成分波動関数とテンソル有効質量のサポート, 新しいローレンツ力と回転座標機能, 傾斜機能材料の改良されたドリフト拡散定式化が含まれています. これらの半導体機能の詳細については, 以下をご覧ください.
多成分波動関数
シュレディンガー方程式インターフェースは, 多成分波動関数とテンソル有効質量をサポートするように拡張されました. この新機能により, スピンを伴うマルチバンドシステムと粒子をモデル化するための簡単なワークフローが生まれます. この機能は k • p Method for Strained Wurtzite GaN Band Structure と A Silicon Quantum Dot in a Uniform Magnetic Field のアプリケーション例で示されています.
ローレンツ力
この新しい機能は, 磁気ベクトルポテンシャルからの運動量にローレンツ力の寄与を追加します. これは, 磁場の影響下にある系に役立ちます. この機能は A Silicon Quantum Dot in a Uniform Magnetic Field のアプリケーション例で示されています.
回転座標系
新しい回転座標系機能は, 回転座標系に対応するハミルトニアンへの寄与を追加し, 回転参照座標系内の系の解析を容易にします. この機能は Vortex Lattice Formation in a Rotating Bose–Einstein Condensate のアプリケーション例で示されています.
固有周波数解析の幅広いサポート
固有周波数スタディが AC/DC モジュールのインターフェース: 電流, 電流 (シェル), 電流 (積層シェル), 電気回路, 静電気, 磁場で利用できるようになりました. 磁場インターフェースの完全波動キャビティモード解析のサポートに加えて電気回路を含むモデルの固有周波数解析が実行できるようになりました. この固有周波数解析サポートは主に AC/DC モジュールのために開発されていますが, 影響のあるフィジックスのうちの一つをもつ他のモジュールでも利用できます.
新しく強化された電気回路インターフェースの機能
時間依存スタディでは電気回路インターフェースにはイベントベースの スイッチ機能が装備されています. これにより回路内の特定の接続の瞬時オン・オフスイッチをモデル化できます. スイッチは電流制御, 電圧制御またはユーザー定義のブール式によって制御できます.
さらにパラメーター化サブ回路定義が追加されています. サブ回路インターフェースと組み合わせることで, より小さな回路を含む独自のビルディングブロックを作成し, より大きな回路内の複数のパラメーター化されたバリアントを使用することができます. 最後に状態, イベントおよびソルバーのマシナリーが改善され, 特に非線形 (半導体) デバイスの過渡的なモデリングがより堅牢になりました.
回路の改良点は主に AC/DC モジュール用に開発されていますが, 電気回路インターフェースへのアクセスを提供する他のモジュールもメリットを得られます. これらの新しい機能は以下の更新されたモデルで見ることができます:
- operational_amplifier_with_capacitive_load
- battery_over_-_discharge_protection_using_shunt_resistances
- p_-_n_diode_circuit
- reverse_recovery_of_a_pin_diode
ドリフト拡散定式化
傾斜機能材料のドリフト拡散定式化は, 連続的に変化する有効状態密度の効果を含むように拡張されています. (擬フェルミ準位の定式化にはすでにこれが含まれています.)
新しいチュートリアルモデル
COMSOL Multiphysics® バージョン5.6では半導体モジュールに3つの新しいチュートリアルモデルが追加されました.
ひずみウルツ鉱型GaNバンド構造のk•p法
アプリケーションライブラリタイトル:
k_dot_p_method_strained_wurtzite_gan_band_structure
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ボーズ・アインシュタイン凝縮中の渦格子の形成
アプリケーションライブラリタイトル:
vortex_lattice_formation_in_a_rotating_bose_einstein_condensate
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