ポスト処理と可視化のアップデート
COMSOL Multiphysics® バージョン 6.0 では, インタラクティブクリッピング, プロットの配列, 新しいカラーテーブルの使用時に, 面をキャプチャする新機能を搭載しています. ポスト処理および可視化に関するすべてのアップデートは以下からご覧いただけます.
インタラクティブクリッピングの断面図
複雑な形状の作業を容易にするために, ソリッド領域をクリッピングする際に, インタラクティブクリッピング機能を使って断面を追加することができるようになりました. この機能はモデルビルダー全体で動作し, グラフィックスウィンドウのツールバーから利用できます.
プロットの配列
新機能として, プロットのアレイを作成し, 複数の結果を並べてグラフィックウィンドウで可視化することができるようになりました. プロットアレイ機能を有効にすると, 設定ウィンドウのプロットアレイセクションで, アレイ形状やアレイプレーンなど各プロットの動作を制御することができます.
環境光の改善
ジオメトリの周囲に光を与えるために使用される環境光の設定に, 3D モデルをより明確にするための新機能が追加されました. グラフィックスウィンドウのツールバーで利用できる新しいアンビエントオクルージョンオプションは, ソフトシャドウを使用してジオメトリをよりリアルに表示する新しいレンダリング技術です. この新機能は, 3D ジオメトリの各ポイントの環境光の露出を計算することで動作します.
透明度の向上
プロットを透過的に可視化する際に, 入射角度に依存した透過率を設定できるようになり, リアル感が向上しました。COMSOL Multiphysics® バージョン 6.0 では, 透明度を有効にした状態でマウスの回転中心を設定することがより簡単になりました.
ポスト処理機能のフィルタリングリスト
COMSOL®ソフトウェアには数多くのポストプロセス機能が搭載されていますが, どのモデルにおいても有用な機能はその一部のみと考えられます. バージョン 6.0 では, モデルで使用されているフィジックスインターフェースに基づくメニューの動的なフィルタリングが可能になりました. これは, 多くの異なるアドオン製品のライセンスを持っているユーザーにとって, 特に便利な機能です.
対数カラースケール
複数の大きさにまたがる値域を持つ式をプロットする場合, 代わりに対数をプロットすると, 結果を解釈しやすくなることがあります. これを行う明白な方法は, EXPR
の代わりに log (EXPR)
または log10 (EXPR)
をプロットすることですが, この方法にはいくつかの欠点があります:
log(EXPR)
は無次元であるため,EXPR
の単位が失われる.log(EXPR)
の記述にEXPR
の記述が自動的に含まれない.- 色の凡例の横に表示されている値は対数である.
- 線形スケールと対数スケールを変更する場合は, 式を変更する必要がある.
COMSOL Multiphysics® バージョン 6.0 では, 式を変更せずに対数カラースケールを使用することが可能です.
ジオメトリメジャーの評価
体積, 表面, 線, および距離の測定機能により, 後処理での測定を簡単に実行できます. この機能は, ジオメトリシーケンスの測定機能に類似しています.
累積積分
数値評価機能の計算値と評価グループで, 累積積分を有効にすることができます. これにより, すべての時間ステップの累積積分値を評価することが可能になります.
カラーテーブルの変換
カラーリングとスタイルセクションの新しいカラーテーブル変換オプションにより, カラーテーブルに非線形変換を適用して微調整することが可能になりました. これにより, プロットされる式のバリエーションを強調したり, 弱めたりすることができます.
変換データセット
新しい変換 3D および変換 2D データセットにより, 他のデータセットで定義されたジオメトリのアフィン変換を実行することができます. この機能を利用して, モデルのフレームでは捉えられない動きを可視化したり, CFD のフローズンローター解析のようにアニメーション中にオブジェクトを移動させたりすることが可能です.
カラーテーブルの改良
ポストプロセスをさらに充実させるために, COMSOL Multiphysics® はカラーテーブルをより滑らかにし, 以下のような新しいカラーテーブルを導入することで, 可視化機能の幅を広げました:
- インフェルノ
- マグマ
- プラズマ
- サーマルウェーブ
- Viridis
グラフプロットのレジェンドでの式の評価
新しい評価レジェンドタイプでは, eval 関数を使用して, スイープで使用されるグローバルパラメーターなどのグローバル式を評価するレジェンドテキストをレジェンドフィールドに作成することができます. また, プロットされるポイントに定義された式を評価することも可能です
プロット情報セクション
すべてのプロットとグラフの設定ウィンドウに新しいプロット情報セクションがあり, プロットのためのデータ準備にかかった時間など, 異なる設定やセットアップに対するベンチマークに有用なさまざまな量を表示します. 情報はモデルと共に保存され, プロットの再描画が必要なたびに更新される表に表示されます. このセクションはデフォルトでは非表示になっています. その他のオプションを表示ダイアログボックスでプロット情報セクションチェックボックスを選択すると, このセクションを有効にすることができます.