電気放電モジュール
COMSOL Multiphysics® バージョン 6.3 では, 新しい電気放電モジュールが導入されています. この製品は COMSOL Multiphysics® のアドオンであり, 大気圧ガス放電や, 変圧器油などの液体や絶縁ポリマーなどの固体材料における破壊現象など, 幅広い放電シナリオに特化したシミュレーション機能を提供します. 大気ガスからマイクロスケールのイベントが発生する MEMS や電子デバイスまで, さまざまな環境で破壊しきい値, 表面電荷ダイナミクス, 放電プロセスをシミュレートするための専用インターフェースを提供します.
このモジュールには, 電子や平均イオンなどの電荷キャリア用の広く使用されている電荷輸送モデルが含まれています. イオン化, 付着, 再結合などの詳細な物理的および化学的プロセスが組み込まれています. ほとんどの場合, ユーザーは化学反応や反応速度データを手動で入力する必要はありません. さらに, このモジュールは放電化学をカスタマイズする柔軟性を提供し, COMSOL Desktop® インターフェースを介して簡単に構成でき, プログラミングは必要ありません.
電気放電モジュールを使用すると, 電気放電がシステムパフォーマンスに与える影響を予測できるため, 特に電子機器の電磁干渉 - 電磁両立性 (EMI/EMC) 設計において, 信頼性と規制基準への準拠のために設計を最適化できます. エンジニアや科学者は, 雷誘導の電磁パルス, 静電放電, その他の放電イベントをシミュレートして分析できるため, このモジュールは製品開発を促進し, 実験テストやプロトタイピングに関連するコストを削減するのに特に役立ちます. 電気放電モジュールは, 電磁気学, 構造力学, 流体力学などの全ての COMSOL 製品で使用でき, 電気放電に伴うことが多いマルチフィジックス効果を調べることができます.
金属レールに沿って滑る一時的な電気アーク. その動きはローレンツ力と圧力勾配によって駆動されます.
詳細については, 電気放電モジュールの製品ページをご覧ください.