光線光学モジュールアップデート
COMSOL Multiphysics® バージョン 6.4 では, 光線光学モジュールを利用のユーザー向けに, 散乱シミュレーションの強化, 表面粗さによる反射光線の強度およびパワーの減衰を考慮する新機能, そして光学材料ライブラリの拡張が行われました. これらのアップデートの詳細については, 以下をご覧ください.
散乱ドメイン機能における新しい散乱モード
この新しい機能により, 光組織散乱, 湿潤環境における光散乱, その他複数の散乱ダイナミクスを含むシナリオのシミュレーションが可能になりました. 散乱ドメイン 機能に新しく追加された 散乱 オプションを使用することで, 媒質内の粒子によって散乱された光線を追跡できるようになります. この 散乱 オプションを選択すると, 2種類の散乱位相関数から選択できます. 1つは, 小さな粒子による対称散乱に適した レイリー 散乱, もう1つは, 比較的大きな粒子や液滴による非対称散乱の一般的な近似である Henyey–Greenstein 散乱です.
レイリー表面粗さモデル
レイリー粗さ オプションを使用することで, 表面粗さによる反射光線強度およびパワーの減衰を考慮できるようになりました. このオプションは, 光線の強度またはパワーを計算する場合, ミラー および 壁 機能で使用可能です. 壁 機能では, 壁条件 セクションで 鏡面反射 を選択すると, このオプションが表示されます.
光学材料ライブラリのアップデート
光線光学モジュールおよび波動光学モジュールで利用可能な光学材料ライブラリに, Schott AG 社製の新しいガラス12種類と CDGM Glass 社製の新しいガラス10種類が追加されました. これらの新しいガラスには, 構造熱最適パフォーマンス (STOP) 解析を実行するために必要なすべての材料特性が含まれています.

