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構造力学モジュールアップデート


COMSOL Multiphysics® バージョン 6.4 では, 構造力学モジュールを利用のユーザー向けに, 時間陽解法によるダイナミクス解析, シェルおよびメンブレイン向けの磁気力学解析, そして多数の物体に対応した自動接触モデリング機能が導入されました. これらのアップデートの詳細については, 以下をご覧ください.

陽的ダイナミクス解析

バージョン 6.4 では, 時間陽解法による動的解析の新しいフレームワークが導入され, 衝撃, 波動伝播, 金属成形といった高速で過渡的かつ高度に非線形な現象を効率的にシミュレーションができるようになりました. 新たに追加された2つのインターフェース, 固体力学 (陽的ダイナミクス)トラス (陽的ダイナミクス) は, 大きな変形, 高いひずみ速度, および多数の物体が関わる一般的な接触条件に最適化された陽的時間積分法を採用しています. この陽的定式化は, 非線形構造材料モジュールに含まれる多くの非線形材料モデル (超弾性, 塑性, 粘塑性, クリープなど) をサポートし, 多数の相互作用する物体を含むシステム向けの新しい自動接触モデリング機能と連携して動作します. また, 非線形構造材料モジュールで利用可能な フェーズフィールド破壊 インターフェースと組み合わせることで, 動的破壊シミュレーションにも適用できます.

携帯電話の落下試験のシミュレーション. 背面側のコンターは塑性ひずみの発生を表しており, 前面側には亀裂の伝播状況が可視化されています.

多数のオブジェクトに対応した自動接触モデリング

多数の接触相互作用を含むモデルを容易に作成できるように, 新しいタイプの接触モデリング機能が追加されました. この機能では, 多数のオブジェクト間の接触条件を自動的に設定でき, 任意の組み合わせに対応します. この新機能と, 大幅に改善されたワークフローは, チュートリアルモデル 箱の中に落ちる物体 で確認できます.

積み上げられた木製ブロックの塔にボールが当たっている様子. このシミュレーションでは, 56個の物体が相互作用し合う可能性があり, その動きは予測が困難なものとなります.

シェルおよびメンブレインにおける磁気力学の解析

シェルおよびメンブレインにおける磁気力学のモデル化を容易にするために, 次の4つの新しいフィジックスインターフェースが追加されました:

  • Magnetomechanics, Shell
  • Magnetomechanics, No Currents, Shell
  • Magnetomechanics, Membrane
  • Magnetomechanics, No Currents, Membrane

さらに, 新しい 磁気力学 (境界) マルチフィジックスカップリングノードを使用すると, シェル インターフェースおよび メンブレイン インターフェースを 磁場 インターフェースおよび 磁場 (電流なし) インターフェースに連成させることができます. これらの追加機能については, チュートリアルモデル 非線形強磁性ダイヤフラム をご覧ください. なお, この機能を使用するには AC/DC モジュールが必要です.

磁気ダイヤフラムの変形と磁場を示すモデル.
電磁石によって引き寄せられる磁性ダイヤフラム. ダイヤフラムの変形とコイル周辺の磁場が示されています.

新規および更新されたチュートリアルモデル

COMSOL Multiphysics® バージョン 6.4 では, 構造力学モジュールにいくつかの新規および更新されたチュートリアルモデルが追加されました.