金属プロセスモジュールアップデート
金属加工モジュールのユーザー向けに, COMSOL Multiphysics® バージョン5.6は, 炭化のためのフィジックスインターフェース, 材料特性のインポート機能, および相転移をモデル化するための拡張機能を提供します. これらの金属プロセスモジュールの更新について詳しくは, 以下をご覧ください.
新しい炭化フィジックスインターフェース
新しい炭化フィジックスインターフェースを使用して, 炭化の効果を解析することができます. このインターフェースを使用すると, 例えば, ブースト拡散炭化サイクルを規定し, 対流物質移動を使用して周囲との炭素交換をモデル化することも可能になります.
鋼の焼入れシミュレーション用の材料特性のインポート
オーステナイトやパーライトなどの冶金相の材料特性は, 他の要因の中でもとりわけ, 温度と塑性ひずみに依存します. 様々な冶金相の材料特性を取得するための労力は多大なものになる可能性があり, オプションとして, 金属プロセスモジュールのユーザーはソフトウェア JMatPro® から材料特性をインポートできるようになりました. 冶金段階ごとにインポートできる材料特性は次のとおりです:
- 弾性
- プラスチック(初期降伏応力と硬化曲線)
- 熱膨張
- 密度
- 比熱
- 熱伝導率
冶金学的相転移をモデル化するための強化された機能
金属相転移とオーステナイト分解フィジックスインターフェースが 0D で利用できるようになりました. 相転移モデルをCCTやTTTダイアグラムなどの実験データに合わせてキャリブレーションする状況では, ジオメトリは必要ありません. 転移図データを使用した相転移モデルのキャリブレーションを容易にするために, 解析中に転移時間と 温度のペアを保存できます. TTTデータに対するキャリブレーションモデルで転移時間がどのように使用されているかを確認できます.
さらに, 特定の相転移が特定の温度範囲でのみ能動的であることがわかっている状況では, 温度の上限と下限を設定することでこれをモデル化できるようになりました. より一般的な条件については転移条件機能を相転移機能の属性として追加できます.
新しいチュートリアルモデル
COMSOL Multiphysics® バージョン5.6では新しいチュートリアルモデルが1つ金属プロセスモジュールに加わりました.
JMatPro は, Sente SoftwareLtd の登録商標です.