ジオメトリアップデート

COMSOL Multiphysics® バージョン6.0では前に構築されたジオメトリノードの高速ビルド, モデルビルダーのグループノード, 2Dでも利用できるようになったオフセットおよび厚み付け操作など, いくつかのジオメトリ機能が改善されました. 以下のジオメトリのアップデートを参照してください.

ジオメトリの高速ビルド

COMSOL Multiphysics® バージョン6.0では, キャッシングが改善されたため, 以前に構築されたジオメトリシーケンスの任意の機能に対応するジオメトリを高速に構築することができるようになりました. これにより, 操作のシーケンスが長い場合でも, 機能に対応している状態のままジオメトリを非常にすばやく表示できます.


この永久磁石モーターを設定する場合, 改善されたキャッシングにより, 以前に構築された, 時間がかかるジオメトリシーケンス中のジオメトリノードをより速く構築できます.

モデルビルダーのグループノード

ジオメトリシーケンスにグループノードを追加して, 機能ノードを整理することができるようになりました. グループノードは展開, 折畳み, 機能ノードの追加が可能なフォルダーのように機能します. ジオメトリ機能はモデルツリーに表示される順序で上から下に構築されます. グループノードを使用して長いシーケンスを構造化できます. この場合ジオメトリの一部をインスタンス化する必要はなく, 代わりにジオメトリパーツを使用できます.

The COMSOL Multiphysics UI showing the Model Builder with the Group node highlighted, the corresponding Settings window, and a motor geometry in the Graphics window.
永久磁石モーターのこのジオメトリシーケンスでは, グループノードはモーターのさまざまな部分のジオメトリ機能を整理するのに役立ちます. 強調表示されたノードが展開され, グラフィックスウィンドウに表示される流体ドメインのジオメトリを作成する機能が表示されます.

エッジまたは頂点周りの回転

回転操作で選択した直線エッジを 3D で, または選択した頂点を2Dで回転できるようになりました. この新機能は回転軸またはオイラー角の座標を入力するための以前に利用可能なオプションに追加されます.

The COMSOL Multiphysics UI showing the Model Builder with the Rotate node highlighted, the corresponding Settings window, and a bike frame geometry in the Graphics window.
青色で強調表示されている構造エッジは, 自転車フレームのこのジオメトリでヘッドチューブを正しい位置に回転させるときの回転軸に使われています.

ミラー (エッジ)

2D ジオメトリにおけるミラー操作に, 直線エッジを選択して反射線を指定するための新しいオプションが追加されました. これによりデザインモジュールで使用可能な拘束および寸法機能も使用できるスケッチ内のオブジェクトを簡単にミラーリングできます.

The COMSOL Multiphysics UI showing the Model Builder with the Mirror node highlighted, the corresponding Settings window, and a 2D sketch in the Graphics window.
青い仮線エッジはこのスケッチで黄色で強調表示されているエッジをミラーリングするためのものです. このエッジは永久磁石モーターのジオメトリの詳細を作成するために回転します.

描画用ジオメトリ

2D および 3D の任意のジオメトリ機能の出力を描画用として指定して, 他のジオメトリオブジェクトの作成に役立てることができるようになりました. スケッチモードでは下書きジオメトリは破線で表示され, 作業平面上の下書きオブジェクトは3Dシーケンスに引き継がれません. たとえば, 線を下書きジオメトリオブジェクトに変換するには, 線を右クリックして, メニューから描画用ジオメトリを選択します. 描画用オブジェクトは完成したジオメトリにも含まれていません. たとえば, 3D シーケンスで下書きジオメトリを使用して断面または射影機能を使用して既存のオブジェクトを活用し, 拘束および寸法を記入するスケッチを作成できます.

The COMSOL Multiphysics UI showing the Model Builder with the Cross Section node highlighted, the corresponding Settings window, and a motor geometry in the Graphics window.
このワークプレーンのスケッチには強調表示されたソリッドオブジェクトの断面である破線の描画用エッジが含まれています.

オフセットおよび 2D 曲線の厚み付け

2Dジオメトリシーケンスに, 新しいオフセット操作が導入され, 入力オブジェクトのエッジを法線方向の特定の距離でオフセットできるようになりました. 新しい厚み付け操作では, 入力曲線オブジェクトのエッジを法線方向に厚くすることによりソリッドオブジェクトを作成します.

The COMSOL Multiphysics UI showing the Model Builder with the Offset node highlighted, the corresponding Settings window, and a motor geometry in the Graphics window.
ハイライトされた 3D オブジェクトの投影 (破線のエッジ) はオフセット (黄色のエッジ) され, 永久モータージオメトリの冷却流路のスケッチを作成します.

ジオメトリオブジェクトからのエンティティ抽出

新しい抽出操作は選択したエンティティから新しいオブジェクトを作成します. 他のすべてのエンティティは削除されるか, 残りのオブジェクトに保持されます. 選択したオブジェクトで抽出機能を使用して, 他のすべてのオブジェクトを削除することもできます. これは保持したいオブジェクトまたはエンティティの数が削除したいオブジェクトの数よりもはるかに少ない場合に役立ちます.


交差するチューブセクションを分割した後に必要なドメインのみを保持するために, このバイクフレームジオメトリを作成するときに抽出操作→入力オブジェクト処理プロパティ→削除を設定します. このワークフローは分割後に削除する必要があるすべての小さなドメインを選択するよりも早く完了しますす. また, 分割後の小さなドメインの数は次元に依存する可能性があるため, フレームジオメトリをパラメーター化する必要がある場合はより堅牢になります

名前付き選択のリスト

選択リストウィンドウで, 現在のジオメトリエンティティレベルのすべての名前付き選択の概要を取得できるようになりました. このウィンドウはホームタブのウィンドウボタンを選択することで確認できます. 名前付き選択はエンティティのリストの下に一覧表示され, 定義ノードの下の選択と, ジオメトリまたはメッシュシーケンスで作成された選択が含まれます. リストから選択項目をクリックすると, グラフィックスウィンドウで強調表示されている選択範囲とエンティティのリストにあるエンティティを表示できます. 選択範囲を右クリックして, メニューから選択範囲内のエンティティを表示または非表示にするか, 機能が有効な入力選択リストにエンティティを追加または削除するかを選択することもできます.

The COMSOL Multiphysics UI showing the Model Builder with the Geometry node highlighted, the corresponding Settings window, and a motor geometry in the Graphics window.
上の図では選択リストウィンドウが COMSOL Desktop® の右側に配置されています. 名前付きの選択は, 画像の電気モーターのように, いくつかのパーツでジオメトリを作成するときに便利です. 強調表示された選択には冷却液のジオメトリオブジェクトが含まれています. コンテキストメニューを表示するにはリスト内の選択項目を右クリックします.