COMSOL Desktop®アップデート

COMSOL Multiphysics®バージョン5.3aではモデルメソッドの呼出しができるようになりました. メソッド入力, つまり, フィジックスインターフェースやコンポーネント全体をMPHファイル間で転送できるようになりました. リカバリファイルも改良されました. 他のCOMSOL Desktop® アップデートの詳細については以下をご覧ください.

モデルメソッドとメソッド呼出

COMSOL Multiphysics®バージョン5.3で導入されたモデルメソッドは, テキストファイルのデータからジオメトリシーケンスを設定したり, 特定の条件に基づいてソルバー設定を変更したり, テンプレートプロットグループを作成したりと, 複雑な操作をモデルの中で直接実行できる機能です. メソッドを作成して実行するとき, 実行の前にある入力を指定したいと思うことがあるかもしれません. 新しい「メソッド呼出」ノードは「グローバル定義」のサブノードですが, あなたのモデルメソッドに入力を与えることができます. 同じモデルメソッドを使って複数の「メソッド呼出」ノードを作成し, それぞれのノードに異なるデフォルト入力を与えることもできます. メソッド入力は, 関連した入力タイプの最も適当なフォームオブジェクトタイプを使って, メソッド呼出ノードの設定ウィンドウで表示されます. モデルメソッドにはアプリケーションビルダーが必要ですので, その作成と編集はWindows®OS上でしかできませんが, 既存のモデルメソッドのメソッド呼出の実行と追加はどのプラットフォームでも可能です.

A screenshot of the Developer ribbon tab in COMSOL Multiphysics version 5.3a. 新しい「メソッド呼出」を含むデベロッパーリボンタブ. 新しい「メソッド呼出」を含むデベロッパーリボンタブ.


メソッド呼出の他にも, モデルメソッドにいくつもの改良がなされています. 新しいビルトインメソッドselectNodeは, モデルビルダーツリーのどのノードを選択して, グラフィックスウィンドウで可視化されていなければならないかをモデルメソッドの実行後に教えてくれます. また, setProgress, setProgressInterval, resetProgressメソッドを使って進捗バーを制御することもできます. この機能は従来はアプリケーションメソッドのみでしか利用できませんでした. デバッグログウィンドウをアプリケーションビルダーだけでなく, モデルビルダーデスクトップでも表示することができます.

コンポーネントとフィジックスの挿入

新しい「挿入」ツールでは別のモデルからコンポーネントやフィジックスの全体をコピーすることができるようになりました. 「モデルからコンポーネント挿入」機能では全モデルコンポーネントを現在のモデルにインポートすることができます. 同様に, 「モデルからフィジックスを挿入」機能では, 別のモデルから現在開いている既存のコンポーネントへフィジックスを挿入します. 元のフィジックスを含む空間次元は行先の次元と合わせる必要はありません. これらのツールはCOMSOL Multiphysics® セッション間のコピー・ペースト機能を提供します. 従って, コンポーネントとフィジックスは別のCOMSOL Multiphysics®セッションへのコピー・ペーストもできます.

A demonstration of the Insert Component tool in COMSOL Multiphysics version 5.3a. コンポーネントリストには「モデルからコンポーネントを挿入ツール」を新しく含みます. そこでは「コンポーネントを挿入」ダイアログボックスが開き, ユーザーはモデルをブラウズし, 現在のCOMSOL Multiphysics®セクションに挿入すべきコンポーネントを選択します. コンポーネントリストには「モデルからコンポーネントを挿入ツール」を新しく含みます. そこでは「コンポーネントを挿入」ダイアログボックスが開き, ユーザーはモデルをブラウズし, 現在のCOMSOL Multiphysics®セクションに挿入すべきコンポーネントを選択します.
A demonstration of the Insert Physics tool in COMSOL Multiphysics version 5.3a. フィジックスリボンタブは「モデルからフィジックスを挿入ツール」を新しく含みます. そこでは, 「フィジックス挿入」ダイアログボックスが開き, 現在のCOMSOL Multiphysics®セクションのコンポーネントに挿入すべきフィジックスを選択します. フィジックスインターフェースのリストはインターフェースのラベルの前に元の空間次元を含んでいます. フィジックスリボンタブは「モデルからフィジックスを挿入ツール」を新しく含みます. そこでは, 「フィジックス挿入」ダイアログボックスが開き, 現在のCOMSOL Multiphysics®セクションのコンポーネントに挿入すべきフィジックスを選択します. フィジックスインターフェースのリストはインターフェースのラベルの前に元の空間次元を含んでいます.

一般化移動メッシュ機能

「移動メッシュ機能」は, コンポーネント >「定義ノード」を右クリックするか,「定義ツールバー」の 「移動メッシュ」サブメニューから利用できるようになりました.

移動メッシュ機能はモデル中の空間座標系を制御して, 変形か移動するドメイン中の全フィジックスに作用します. 定常状態および, 問題のダイナミクスに従ってジオメトリが変化する時間依存変形の両方に使うことができます. 例えば, 「移動メッシュノード」下の「変形ドメイン」機能は流体構造相互作用 (FSI) における流体ドメインや, MEMSにおけるドメイン変形などに使うことができます. 他の機能では, 流体ミキサーや電気モーターの場合のようにモデル中のパーツが回転するように指定することができます.

「定義」の下の移動メッシュ機能は移動メッシュを含むマルチフィジックスインターフェースの新しいデフォルトのメカニズムです. もう一つの代替方法である移動メッシュ (ALE) フィジックスインターフェース の代わりに使います.

編集フィールドでのユーザー定義関数

グローバル定義, ジオメトリパーツ, 結果で定義する任意の関数をパラメーター, ジオメトリ, メッシュ, スタディなどで利用することができます. この機能は, 複雑なジオメトリの構築などで, モデルのカスタマイズに大変役立ちます. 様々なやり方で関数を定義することができます. 解析式, 補間テーブル, MATLAB® のMファイル, 材料などです. これらの関数はジオメトリ, メッシュ, スタディを定義するときに編集フィールドから利用することができます. 編集フィールドでは Ctrl+space キーでメニューが開き, 式に入れる関数やパラメーターを選択することができます.

A demonstration of using the Move feature in COMSOL Multiphysics version 5.3a.

「移動」機能によるアルキメデスの螺旋の生成で使われた2つの解析関数.

「移動」機能によるアルキメデスの螺旋の生成で使われた2つの解析関数.

行列操作の変数

コンポーネントにおいて, 逆行列, 対角化, 特異値分解 (SVD) に関する行列と変数を定義することが新しくできるようになりました. 入力行列, 出力行列の両方が方程式と結果でスカラー変数の形で, 行列要素によく使われるベース名と指数規約を使って利用できます. 9x9までの正方行列を取り扱うことができ, 各行列要素は解, 解の勾配成分, 座標式などのフィールド変数にすることができます.

A cropped screenshot showing the expanded Variable Utilities option in COMSOL Multiphysics.

逆行列, 対角化, SVDの行列操作に関連する変数の生成ユーティリティ.

逆行列, 対角化, SVDの行列操作に関連する変数の生成ユーティリティ.

新しいクラスター設定検証アプリ

新しいクラスター設定検証アプリでクラスターコンピューティングとリモートコンピューティングの正しい設定が楽にできるようになりました. このアプリの中でその設定を直接実行することができます. 正しい設定が見つかったら, COMSOL Server™で使えるようにそれをエクスポートすることができます. COMSOL Server™ または COMSOL Multiphysics® の環境設定でクラスター計算環境を定義することで個々のアプリケーションにそれを入力する必要がありません. 「ドキュメンテーションを開く」ボタンでPDFファイルを開けて, そのアプリの使用方法詳細を読んでください. このアプリは COMSOL Multiphysics® のクラスター設定にも使うことができます.

A COMSOL app for validating a cluster setup, new with COMSOL Multiphysics version 5.3a.

クラスター設定検証アプリのユーザーインターフェース.

クラスター設定検証アプリのユーザーインターフェース.

リカバリファイルの取扱改善

COMSOL Multiphysics® ソフトウェアではデフォルトでモデルの求解中にリカバリファイルを保存します. 何かの理由でソフトウェアが中断した場合 (例えば, 電源がなくなってリブートしたら) , これらのファイルを使って部分的に解かれたモデルを復元することができます. COMSOL Multiphysics® バージョン 5.3a では, このリカバリファイル機能がよりアクセスしやすく, ユーザーフレンドリーになりました. リカバリファイルはソフトウェアの起動時に別のウィンドウで表示され, 新しくなったユーザーインターフェースで, どのファイルを保存, 削除, 開くかを即座に決めることができるようになりました.

A screenshot of the COMSOL Multiphysics 5.3a GUI with the Recovery Files window shown.

リカバリファイルウィンドウは, 新しいリカバリファイルを開く準備ができると, 自動的に現れます.

リカバリファイルウィンドウは, 新しいリカバリファイルを開く準備ができると, 自動的に現れます.

選択リストカウンター

選択リストウィンドウが現在選択中のエンティティ数を表示するようになりました. この機能は, 例えば, ある数の選択をしたいときに, 正しくその数の選択をしたかどうかを確認するときに便利です.

A screenshot of COMSOL Multiphysics with the Selection List window expanded.

複数のオイルプラットフォームモデルにおける選択リストウィンドウが選択エッジ数を表示しています.

複数のオイルプラットフォームモデルにおける選択リストウィンドウが選択エッジ数を表示しています.