AC/DC モジュールアップデート
COMSOL Multiphysics® バージョン 5.4 の AC/DC モジュールではすぐに使えるコイルと磁気コアのパーツが準備されています. また, 薄積層構造中の電流とジュール熱, 仮想仕事を使った非線形材料の力計算も新しく加わりました. AC/DC モジュールのアップデートの詳細は以下をご覧ください.
積層シェル中電流
新しい電流 (積層シェル) インターフェースは薄い導電性の積層シェル中の電流とポテンシャル分布を, 誘導効果を無視できる, つまり, 表皮厚がデバイスよりも大きいという条件の下で計算します. このインターフェースは3Dサーフェスの定常解析をサポートします.
伝熱モジュールにも同じような機能が含まれています. これらの2つのモジュールを組み合せると, 積層構造中のジュール熱を解析することができます. さらに, この機能を新しい複合材料モジュールと組み合せると, 積層構造でのジュール熱と熱膨張を同時に解析することができます.
この機能は次のモデルで使われています:
コイルと磁気コアのパーツライブラリ
新しい AC/DC モジュールのパーツライブラリは様々なコイルと磁気コアを揃えました. この新しいパーツライブラリでトランスフォーマー, インダクター, モーター, アクチュエーターなどの解析でモデル設定を素早く行うことができるようになります. パーツは完全にパラメーター化されたソリッド, サーフェス, 曲線でできており, それらはさらに複雑な形状に必要に応じて組み合せることができます. フィード境界などの重要な選択は自動で生成されます.

仮想仕事を使った非線形材料の力計算
B-H 曲線や磁気共エネルギー密度で特徴づけられる非線形磁気材料の磁気エネルギー密度を定義しました. エネルギーと共エネルギーは仮想仕事の方法で磁力を計算するのに便利で, その方がマックスウェル応力テンソルを使うよりもより正確です. 仮想仕事の方法は, パーツを剛体として考えて (モーターやアクチュエーターなどには妥当な仮定) 全力とトルクを与えます. このモデリングアプローチは「移動メッシュ」と「感度」機能を組み合せたときにサポートされます.
表面マウント永久磁石 (青と黄) を備えた3相シンクロナスマシンモデルが磁束密度 (上レジェンド) と電流密度 (下レジェンド) を計算します.
磁気飽和材料モデルの改善
磁気飽和モデルで B-H 曲線と H-B 曲線の補間関数の入力データを複製する手続きをなくしました. これによって, 例えば, AC/DC モジュールの材料データベースにある軟鉄材料から新しいユーザー定義材料を設定する際に仕事の負荷を半減することができます.
新しいチュートリアルモデル
COMSOL Multiphysics® バージョン 5.4 で導入された新しい3つのチュートリアルモデル
平面 PCB コイル

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planar_pcb_coil
ソリッド対積層シェル比較

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solid_multilayer_shell_comparison
発熱回路

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heating_circuit
完全振動音響連成での集中レシーバー

Full vibroacoustic analysis of the interaction between a vibration isolation mounting and a miniature hearing aid transducer. Shown here: The deformation of the ear-mold tube and receiver and the sound pressure level in the coupler volume.
アプリケーションライブラリで検索:
lumped_receiver_vibroacoustic
ラウドスピーカー (過渡)

Full transient multiphysics analysis of a loudspeaker driver, which allows the modeling of nonlinear effects. The results include the total harmonic distortion (THD) and the dynamic BL curve.
アプリケーションライブラリで検索:
loudspeaker_driver_transient