ローターダイナミクスモジュールアップデート

COMSOL Multiphysics® バージョン 5.4 では浮遊リング軸受機能, 軸受中のミスアラインメントモデリング機能, ローターカップリングなどが含まれます. これらのローターダイナミクス機能の詳細は以下をご覧ください.

浮遊リング軸受

新しい浮遊軸受モデルが流体軸受インターフェースに加わりました. 浮遊リング軸受では, 軸受とジャーナルの間にもう一つのリングが設けられ, 2つの潤滑油膜が形成されます. これらの膜はリングの潤滑油流路と接続しています. リングについては完全浮遊かまたは半浮遊かのどちらかを選択することができます. 新しいチュートリアルモデル, 浮遊リング軸受に支持されたターボチャージャー, でこの機能が使われています.

A floating ring bearing model. 浮遊軸受中の2つの流体膜中の圧力分布
浮遊軸受中の2つの流体膜中の圧力分布

軸受のミスアラインメント

軸受のミスアラインメントはローターにおける振動と不安定の原因になります. 固体ローター, 梁ローター, 流体軸受インターフェースにおける全ての軸受タイプの定式化で, 平行度と角度のミスアラインメントを考慮することができるようになりました. 新しいチュートリアルモデル, ローター振動の軸受ミスアラインメント, でこの機能が使われています.

A model for analyzing the effect of bearing misalignment. ミスアラインメント有り無しの流体軸受の圧力分布比較
ミスアラインメント有り無しの流体軸受の圧力分布比較

ローターカップリング

ローターは複数のシャフトを持つことがありますが, それらのシャフトは連結していて, 互いに動く可能性があります. それをモデル化する一つの方法がスプラインカップリングです. 新しいローターカップリング機能ではそのようなカップリングができるようないくかのタイプのモデルが加わりました. ローターカップリングをモデル化する際, 2つのシャフト間にある柔軟性を与えることもできます. チュートリアルモデル, スプラインカップリングで連結したローター, でこの機能が使われています.

A model demonstrating the Rotor Coupling feature in COMSOL Multiphysics version 5.4. 結合ローターのホワールモードとカップリングの模式図 (左上)
結合ローターのホワールモードとカップリングの模式図 (左上)

ローラー軸受のファンデーション

ローラー軸受にファンデーションモデルが加わり, そのような軸受を通して連結するステーターローターをモデル化することができるようになりました. ファンデーションには固定設定に加えて, 既定柔軟度または別の構造の運動とのカップリング設定も可能です.

A model of a stator-rotor assembly connected through roller bearings. ローラー軸受を通して連結するローターステーターシステムの応力分布
ローラー軸受を通して連結するローターステーターシステムの応力分布

ローラー力分布

ラジアルローラー軸受では接触機構を使って各ボールまたはローラーによって伝達される力を見積もり, 接触力分布を正確に計算します. 内側レースに連結した境界上のローラー軸受のローラー力分布を可視化することができるようになりました. この機能は固体ローターマルチボディダイナミクスインターフェースで使うことができます.

A model demonstrating the Radial Roller Bearing feature. ギア付きローターアセンブリの全ての軸受でのローター変位とローラー力. 右上は正面図.
ギア付きローターアセンブリの全ての軸受でのローター変位とローラー力. 右上は正面図.

新しいチュートリアルモデル

COMSOL Multiphysics® バージョン 5.4 ではいくつかの新しいチュートリアルモデルが加わりました.