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非線形構造材料モジュールアップデート


COMSOL Multiphysics® バージョン6.4では, 非線形構造材料モジュールをご利用のユーザー向けに, 陽解法によるダイナミクス解析用の非線形材料モデルおよびフェーズフィールド破壊モデルが新たに導入されました. さらに, 非弾性ひずみをより高速に計算するための新機能が追加されています. これらの更新内容の詳細については, 以下で説明します.

陽解法によるダイナミクス解析のための非線形材料モデル

時間陽解法解析の効率を高めるために, 超弾性, 塑性, クリープ及び粘塑性の材料モデルが改良されました. これらの強化により, 他の種類のスタディにおいても, 計算性能が大きく向上します. 以下に挙げるモデルは, こうした性能向上の一例を示すものです:

円筒形のバッテリーモデルにインデンターを押し当てて圧力の結果を表示しています.
接触力学および圧力依存塑性を考慮した, 円筒形バッテリーの押込み試験解析.

新しいフェーズフィールド破壊(陽的ダイナミクス)マルチフィジックスインターフェース

動的条件下における固体内部の損傷やき裂の進展をモデル化するために, バージョン6.4では新たに フェーズフィールド破壊 (陽的ダイナミクス) マルチフィジックスインターフェースが追加されました. このインターフェースは, 固体力学 (陽的ダイナミクス) インターフェースと フェーズフィールド (固体) インターフェースをフェーズフィールド破壊の双方向マルチフィジックス連成を通じて組み合わせたものです. この新しいインターフェースは, 改訂版のチュートリアルモデル 動的亀裂分岐のフェーズフィールドモデリング で確認できます

AT1 形フェーズフィールド損傷モデルと陽的ダイナミクス解析を用いて解析された脆性材料の動的破壊.

対数 (Hencky) ひずみ分解

新しい 対数 (Hencky) ひずみ分解オプションは, 従来の乗算分解と比べて, 非弾性ひずみをより高速に計算できるようにしたものです. 例えば, 塑性構成則のアルゴリズムは, この手法を用いることで大幅に高速化されます. このオプションを選択した場合の計算性能の向上は, チュートリアルモデル 弾塑性パイプの圧縮 によって示されており, 計算時間は 30 % 削減されています.

金属パイプを2つの剛なインデンタの間で押しつぶし, ほとんど平板状になるまで変形させる解析.

新しいチュートリアルモデル

COMSOL Multiphysics® バージョン6.4では, 非線形構造材料モジュールにいくつかの新しいチュートリアルモデルが追加されました.