AC/DC モジュールアップデート
COMSOL Multiphysics® バージョン6.4では, AC/DC モジュールをご利用のユーザー向けに, 過渡誘導境界条件, 端子の対称性サポートが導入され, 利便性向上も図られています. これらのアップデートとその他の詳細は以下をご覧ください.
過渡誘導境界条件
磁場 インターフェースにおける インピーダンス境界条件 および 遷移境界条件 が, 時間領域解析をサポートするようになりました. この更新により, 体積メッシュを使用して材料内部の表皮効果を解像することが不要になり, 時間領域において薄い導電層, プレート (シールド), またはコーティングを解析できるようになりました. 更新された境界条件は, 電磁界がほとんど内部に侵入しないバルク金属のモデリングにも有用であり, 材料 (通常は金属) の内部をモードに含める必要がありません. 代わりに, モデリング領域を材料の境界で単純に打ち切り, これらの境界条件のいずれかを適用することで表皮効果を表現できます. 本機能の利用例は, 遷移境界条件を用いた薄い導電層 チュートリアルモデルで確認できます.
端子の対称性
端子 機能が, 端子面積乗算係数をサポートするようになりました (詳細フィジックスインターフェース を有効化した後, 詳細設定 セクションで利用可能). これにより, 端子面積をスケーリングすることで対称性が考慮され, 接続された回路や負荷は, デバイスの一部のみがモデル化されている場合でも, デバイス全体を認識できるようになります. 例えば, モデルがデバイスの半分を表している場合は, 係数として2を使用します. このアップデートは, 静電場 インターフェース, 電流 インターフェース, および 磁場および電場 インターフェースで利用可能です.
再設計されたコンテキストメニュー
すべての AC/DC のインターフェースにおいて, 機能コンテキストメニューおよびツールバー (またはリボン) が再設計され, 明確性と操作効率が向上しました. 機能は種類および使用頻度に基づいてグループ化され, 例えば 電流保存 (固体) などの頻繁に使用される機能は上位に配置され, 使用頻度の低い機能はサブカテゴリに配置されています. インターフェース全体で類似する機能は一貫性をもって整理され, 一部の機能は明確化のために名称が変更されました. これにより, シンプルなモデルから高度なモデルまで, ワークフローをより効率的に進められるようになっています.

シェルとメンブレインを用いた磁気力学
シェルおよびメンブレインの磁気力学のモデリングを容易にするために, 4つの新しいフィジックスインターフェースが利用可能です:
- Magnetomechanics, Shell
- Magnetomechanics, No Currents, Shell
- Magnetomechanics, Membrane
- Magnetomechanics, No Currents, Membrane
さらに, 新しい 磁気力学 (境界) マルチフィジックスカップリングノードにより, シェル および メンブレイン インターフェースを 磁場 インターフェースおよび 磁場 (電流なし) インターフェースとカップリングすることが可能になります. これらの追加機能は, チュートリアルモデル 非線形強磁性ダイヤフラム で確認できます. なお, この機能を使用するには構造力学モジュールが必要です.
新規および更新されたチュートリアルモデルとアプリ
COMSOL Multiphysics® バージョン 6.4 では, AC/DC モジュールにいくつかの新規チュートリアルモデルが追加され, 既存のいくつかのチュートリアルモデルとアプリが更新されました.
高出力 IGBT モジュールの熱解析
キュリー温度と運動を考慮した誘導加熱

induction_heating_curie_movement_1khz
induction_heating_curie_movement_25khz
アプリケーションギャラリからダウンロード
非線形強磁性ダイヤフラム*
*構造力学モジュールが必要です








