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半導体モジュールアップデート


COMSOL Multiphysics® バージョン6.4では, 半導体モジュールをご利用のユーザー向けに, 強誘電体および圧電半導体のモデリングの簡素化, 新しい半導体アーキテクチャをシミュレートするための合理化されたワークフロー, 光学材料特性から直接光学遷移を定義する機能などが導入されました. これらのアップデートについて, 以下で詳しくご紹介します.

半導体–静電カップリングマルチフィジックス機能

強誘電体および圧電半導体をシミュレートする際, 電荷保存 (強誘電体) などの高度な静電定式化が必要な場合に, 新しい 半導体–静電カップリング マルチフィジックス機能を使用できます. この機能は, 半導体 インターフェースで定義されている組み込みの静電方程式を上書きし, 静電場 インターフェースで定義された方程式に置き換えます. なお, 使用する機能によっては, これらの高度な定式化には AC/DC モジュールなどの追加アドオン製品が必要になる場合があります.

半導体 - 静電結合ノードが強調表示されたモデルビルダー, 対応する設定ウィンドウ, グラフィックス ウィンドウ内に mosfet モデルが表示されている COMSOL Multiphysics UI.
半導体–静電カップリング マルチフィジックス機能の設定画面.

新しい半導体アーキテクチャのマルチフィジックスモデリング

半導体モジュールの 電荷キャリア輸送 インターフェースでは, 熱解析や電磁界解析と連成したカスタマイズ可能な電荷キャリア輸送モデルを容易に統合できます. この機能は, 複数の物理現象と連成する高度な電荷輸送モデルが求められる, 新しい半導体アーキテクチャのモデリングに最適です. このマルチフィジックスモデリングワークフローは, チュートリアルモデル メモリスタ で確認できます.

電荷キャリアの輸送ノードが強調表示されたモデルビルダー, 対応する設定ウィンドウ, グラフィックスウィンドウのメモリスタモデルが表示されている COMSOL Multiphysics UI.
電荷キャリア輸送 インターフェースが選択された, チュートリアルモデル メモリスタ のモデルツリー.

間接光学遷移モデル

光学材料から直接光学遷移を定義できるように, 間接光学遷移 機能では, 材料の屈折率を使用して間接吸収生成率を計算する新しいモデルが導入されました.

間接光学遷移ノードが強調表示されたモデルビルダー, 対応する設定ウィンドウ, グラフィックスウィンドウに 1D プロットが表示されている COMSOL Multiphysics UI.
間接光学遷移 機能の設定画面と, 屈折率の実部と虚部を示す グラフィックス ウィンドウ.

端子対称性

端子 機能において, 面積乗算係数 (詳細フィジックスオプション を有効にした後, 詳細設定 セクションで利用可能) をサポートするようになりました. これにより, 端子面積をスケーリングすることで対称性を考慮し, モデルの一部のみが表現されている場合でも, 接続された回路や負荷がデバイス全体を認識できるようになります. 例えば, モデルがデバイスの半分を表している場合は, 乗数として2を使用する必要があります. このアップデートは, 静電場 インターフェース, 電流 インターフェース, 磁場および電場 インターフェースで利用可能です.

COMSOL Multiphysicsのユーザーインターフェース. モデルビルダー内で境界端子ノードが強調表示され, 対応する設定ウィンドウ, グラフィックスウィンドウに共振器モデルが表示されています.
ラム波共振器の半分を表すモデル. 新しい面積乗数因子は, 境界端子 機能の 設定 ウィンドウに表示されます.

更新されたチュートリアルモデル

COMSOL Multiphysics® バージョン6.4では, 半導体モジュールに以下の更新されたチュートリアルモデルが追加されました.