Batteries & Fuel Cells Module

バッテリと燃料電池設計の操作のシミュレーション

Batteries & Fuel Cells Module

リチウムイオンバッテリパック、冷却シリンダーの熱解析結果。熱的モデルは、熱源として反応する、電気化学反応とイオンフローと連成可能です。

バッテリ&燃料電池:高濃度エネルギーと長寿命へ

バッテリと燃料電池は、高濃度エネルギーや電力効率などを含め、より厳しい環境で、より長い年月の作業を要求されます。これらの条件は、この産業界にさらなるプレッシャーをかけ、開発、設計、最適化、そして質と安全の確立のため、バッテリ&燃料電池のモデリングやシミュレーションは必要不可欠なツールの1つになっています。システムの例として、鉛酸蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、固体電解質型燃料電池(SOFCs)、直接メタノール型燃料電池(DMFCs)、そしてプロトン交換膜燃料電池(PEMFCs)が、あげられます。

バッテリ&燃料電池モジュールでは、バッテリおよび燃料電池の電極と電解液内の根本的な電気化学的挙動をモデリングします。様々な操作状況、設計構造、数多くの老朽化メカニズムが原因で起こる劣化に対する性能解析が可能になります。このアドオンモジュールと共に、荷電種-中性種の輸送、電流電動、流量、伝熱、そして平面的で多孔質な電極の電気化学反応の性質と駆動力をシミュレートできます。これらの特性を理解することで、、性能、熱管理、安全に関連するシステム内の電極、セパレータ、膜組織、電解質、電流コレクタ、電流フィーダの設計およびジオメトリと材料選択の最適化を行うことが可能になります。


事例紹介

  • 自動車用のリチウムイオンバッテリパック内の温度フィールド。ここでは、冷却水内の液体流れ上の等温面と温度プロフィールを示しています。 自動車用のリチウムイオンバッテリパック内の温度フィールド。ここでは、冷却水内の液体流れ上の等温面と温度プロフィールを示しています。
  • チャンネル内の酸素と燃料濃度分布とプロトン交換膜燃料電池(proton exchange membrane fuel cell =PEMFC)のガス拡散電極 チャンネル内の酸素と燃料濃度分布とプロトン交換膜燃料電池(proton exchange membrane fuel cell =PEMFC)のガス拡散電極
  • 燃料電池スタックを介したフローと圧力損失 燃料電池スタックを介したフローと圧力損失
  • 鉛酸蓄電池内の20C放電中の電解質塩濃度  鉛酸蓄電池内の20C放電中の電解質塩濃度 
  • リチウムイオンバッテリインタフェースへの材料インターカレーション機能では、負極内において定義済みの異なる2種類の挿入材料が使用可能です。放電中バッテリの負極内における2種類の挿入材料の多様な混合割合パフォーマンスが解析されます。 リチウムイオンバッテリインタフェースへの材料インターカレーション機能では、負極内において定義済みの異なる2種類の挿入材料が使用可能です。放電中バッテリの負極内における2種類の挿入材料の多様な混合割合パフォーマンスが解析されます。
  • 固体電解質型燃料電池・solid oxide fuel cell (SOFC)の電気化学的インピーダンス分光法・Electrochemical Impedance Spectroscopy(EIS)解析。2種類の交換電流密度間の差を示すカーブの増加範囲は、広がっています。 固体電解質型燃料電池・solid oxide fuel cell (SOFC)の電気化学的インピーダンス分光法・Electrochemical Impedance Spectroscopy(EIS)解析。2種類の交換電流密度間の差を示すカーブの増加範囲は、広がっています。

バッテリ&燃料電池モジュール内の複雑な設計

最初はシンプルに

もし新しい設計、もしくは、アプリケーション内に内蔵されているバッテリや燃料電池の設計をゼロからモデリングする場合、まずはシンプルなものから開始し、次第に複雑なものに移行していくことをお奨めします。通常、これは、一次電流分布モデリングを含んだデバイスの特性解析を意味しています。電気化学反応、電解質、そして抵抗を含んだコンダクタとして定義されているその他のコンポーネントをオームの法則を使用して簡素化します。一次電流分布モデルは、そのデバイスのジオメトリに関して多数のフィードバックを提供します。また、そのモデルは、温度管理や熱膨張のための構造的完全性に関する示唆を得るために使用されます。  

バッテリ&燃料電池モジュールは、多数のフィジックスが定式化されたCOMSOL Desktop®グラフィカルユーザインタフェース (GUI) 内に特定インタフェースを含みます。フィジックスインタフェースとして知られている、一次電流分布インタフェースは、バッテリや燃料電池内の異なるコンポ―ネント全てに対して、電極と電解質の伝導性のような材料プロパティを定義している適切なフィールドを含んでいます。更に、ジュール熱や熱応力解析のような他の特性を定義しているフィジックスインタフェースとの連成も容易です。それらの特性はバッテリ&燃料電池モジュール、COMSOL Multiphysicsあるいは、他のフィジックスベースモジュール内でも確認することができます。      

システムの電気化学特性を調査

解析の複雑さが増す中、電気化学反応の反応速度特性は、電極、電界触媒、そして電解質構成の微細構造と密に関連しています。ここには、電気化学反応速度パラメータをリスト化する使用可能な材料データベースはほとんどなく、そのため、電気化学者たちはこのデバイス用にパラメータ検索を実装するための実験を行います。しかしながら、バッテリや燃料電池のようにクローズドシステム内における詳細で制御された実験は困難で、特に電気化学プロセスに影響する多様なフィジックスパラメータに関しては大変難しい状況です。これらの反応速度パラメータの正確な定義を取得するために、同じ実験/解析プロセス上で、実験とモデリングを比較する必要があります。そして、実際の数値をこれらのパラメータと合致しなければなりません。バッテリ&燃料電池モジュールには、サイクリック・ボルタンメトリーや電気化学的インピーダンス分光法(EIS or AC インピーダンス)のような実験をシミュレートすることが可能なフィジックスインタフェースが含まれています。また、データをインポートし、プロットを行い、そしてパラメータ予測まで実装するツールも搭載されています(Optimization Moduleが必要です)。

電気化学反応速度が一度設定されると、二次電流分布を使用したバッテリ&燃料電池モデリング解析にて使用することができます。これらのモデリング内での電気化学反応は、電荷移動機構と活性化過電圧から直接影響を受けます。このモデリングでは、システムの正確な動作電圧と電流の数値を示し、電極と電気触媒材料決定に非常に役立ちます。また一方で、いかなる熱的研究でも、活性化過電圧の損失を含ませることが可能です。

加えて、二次電流分布インタフェースは、例えば、ガス微小孔内やガス拡散電極内 (GDEs)に含まれる種の輸送を定義する化学種輸送インタフェースと連成することが可能です。GDEsの定義の中で、細孔電解質内の溶存ガスの輸送や活性点への輸送は、モデリングや薄膜モデリングを使用して定義可能です。細孔内のガス輸送も、ガスチャンネル内、例えば燃料電池バイポーラ板中の輸送やフローと連成も可能です。

均一系反応は、バッテリ&燃料電池モジュールの物質移動インタフェース内の反応速度式により定義されます。ここでは、任意の吸い込みと湧き出し項が定義されます。あるいは、Chemical Reaction Engineering Module内のフィジックスインタフェースにて定義され、バッテリや燃料電池モデリングと連成されます。

プロセスの全体像を確認

しかしながら、これ以前のタイプのモデリングでは、その濃度は電解質を通して一定で、その電流輸送はイオン泳動時にのみ発生すると推測されますが、それが正確ではないことは明らかになっています。電気化学反応を引き起こしている重要な要因の一つは、反応箇所の周囲の電解質組成にあります。バッテリと燃料電池の電機化学特性を解析するために、三次分布研究は必要です。これには、濃度の種類を考慮し、材料バランスと電解質内の移動の適切な特性が含まれます。

また、三次電流分布に関して、電解質の構成および電解質細孔は、多孔質電解質内とGDE内のガス微小孔内、気相内の材料バランスと完全に連成することが可能です。これらの定義には、凝集体および薄膜モデリングを使用して、細孔電解質を通過する種の移動が含まれています。このバッテリの場合、電極粒子内の輸送を考慮するため、インターカレーション方程式が組み込まれます。

セパレータとおよび電極の材料は、均一系反応として反応を起こし、パフォーマンス低下を引き起こす可能性があります。化学種輸送インタフェースでは、これらの材料の化学反応のモデリングの実装が可能で、電池物質の劣化による電池と燃料電池パフォーマンスへの影響を推測することができます。

電極内と電流コレクタ内の電流伝導は、電流保存の方程式と共にオームの法則を使用して定義することが可能です。電流コレクタやフィーダ、電極、多孔質電極、GDEのような電子伝導体内の抵抗損失が含まれます。電流コレクタやフィーダは、これらの薄レイヤの厚みに沿って行うメッシングを避けるためにシェルと呼ばれる導電性薄層を使用して、モデリング可能です。電子伝導体内の電流バランスは、専用電極界面を使用して電荷移動反応への電解質や多孔質電解質内の電流バランスと連成が可能です。  

蓄電池モデルと燃料電池モデルをその他の物理特性とインテグレーション

バッテリ&燃料電池モジュール内で設計されたモデルは、COMSOL Product Suiteの中にある、あらゆるモジュールのフィジックスインタフェースと連成可能です。劣化によるパフォーマンスおよび構成悪化に関しては、そのような連成を通して、電流コレクタの操作や設定に関する重要な情報や、フィーダ、冷却システム、電極-セパレータ薄膜の最適化や温度管理を発見することが可能です。

乱流シミュレーションをサポートするCFD ModuleHeat Transfer Moduleの液体流量インタフェースは、リチウム-イオン電池の熱-冷却システムやMCFC 、SOFCのような高温燃料電池のモデリング内で使用することが可能です。これらには、伝熱モジュールがサポートする表面対表面放射の公式化が必要です。電気化学的インピーダンス分光法のパラメータ予測(EISもしくは、ACインピーダンス分光法)、ボルタンメトリー、電流遮断シミュレーションおよび実験は、Optimization Moduleとの連成において実装可能です。電極劣化に関するモデリング連成の興味深い点とは、電極の充電-放電間の濃度変化により引き起こされる構造的応力の組み込みです。これら応力は、電極粒子内の微小破壊の程度予測に使用することが可能です。これにより、電極のパフォーマンスを左右する電気伝導性の減少が引き起こされます。

多種多様な電気化学的挙動シミュレーション用のフィジックスインタフェース 

バッテリ&燃料電池モジュールは、全ての燃料電池のモデリングを自由に行うことができる、唯一のシミュレーションです。その中で最も顕著で力強い特性は、多種多様な電気化学的挙動のシミュレーションです。本製品には、バッテリ自身の電気化学プロセスもしくは、バッテリに影響を与えるその周囲のプロセスをシミュレートする数多くのフィジックスインタフェースが含まれています。

化学種輸送

バッテリと燃料電池には反応種が存在し、多種多様な状態、段階に変化します。これは、濃厚-希薄電解質、混合物、固体状態の溶液内において、既存気体-液体-固体状態全てに含まれます。材料輸送用のバッテリ&燃料電池モジュールインタフェースでは、多孔質媒体と自由媒体のいずれかの状態を介して反応種の輸送のモデリングをします。希薄ー濃厚溶液や混合物内での拡散、対流、泳動、そして、平面、多孔質電極とGDEにも含まれます。

マイグレーションは全てのインタフェースにおいて使用可能な項目です。これは、三次電流分布インタフェース内で Nernst-Planck方程式インタフェースにより定義することができます。材料輸送もまた、これらの電解質を代表するリチウムイオン電池、鉛酸バッテリ、電解質2次電池モデリングのフィジックスインタフェースの中で定義されます。反応流インタフェースについても、流量や化学反応と直接連成された反応種輸送のモデリングが可能です。  

電気化学反応動力学

COMSOL製品群の全モジュールにおいて、フィジックスインタフェースの編集フィールドで全ての方程式が使用可能です。またそれは作成されたモデリングシステムの変数に依存します。これが電気化学の電荷化学反応に対して行われる場合、動力学は、反応種の濃度、温度、そして局部的電極の任意関数で、電極-電解質インタフェースにおいては電解質電位で表現されます。   

バッテリ&燃料電池モジュールでは、これらの動力学定義をサポートするため、定義済みフィジックスインタフェースを提供しています。ACインピーダンスのようなモデリングアプリケーションを活用する場合などに、特に便利な電気分析インタフェースを含んでいます。二次、三次電流分布内でのエディタフィールドでは、平衡電位の電極動力学パラメータ、陽極ー陰極電荷輸送係数、交換電流密度、対称性因子、化学量論が使用可能です。定義済みの方程式には、Butler-VolmerやTafel方程式も含まれています。三次電流分布インタフェース内の反応種の局所濃度は、濃度変数を使用することにより反応式の中に含まれます。多孔質電極と GDEsは、これらのフィジックスインタフェースに応じています。そこでは、電解質と電極伝導性が、異方性挙動に沿って定義することが可能です。 

電極と電解質内の電流平衡

バッテリ&燃料電池の実用的な目的は、化学エネルギーから電気エネルギーへの転換、そしてその逆への転換(バッテリの場合)です。この転換の失敗は、出来る限り最小限に抑え、劣化も最小限であるべきです。設計と最適化のために、電解質内のイオン輸送、膜と多孔質電極、電極内の電子伝導の影響など、これらは全て電流と電荷の保存の組み合わせですが、それらを含んでいる必要があります。

一次、二次電流分布インタフェースが前提としていることは、イオンの移動は、電磁場の影響を受けている時のみに起こり、拡散は起こらないということです。その一方で、そのインタフェースでは、多孔質電極内の濃度過電圧の近似解析値を含むことが可能です。二次電流分布の濃度インタフェースでは、Maxwell-Stefan方程式を使用し、ガス拡散電極の気孔内に気相移動と完全に連成可能です。これは、ガス気孔と活性点との間の気孔電解質の中にある容存種の分散を含みます。凝集モデリングもしくは薄膜モデリングで使用します。

三次電流分布インタフェースは、Nernst-Planck 方程式を使用し、拡散、伝達、泳動の3種類全ての移動プロセスからの寄与を介したイオンの移動を定義しています。そのため、3つ全ての寄与は、電流密度を特徴づける方程式の中に含まれます。しかしながら、イオン伝達は、通常、電気的中性により停止します。この方程式は、電極-電解液インタフェースにて電荷移動反応と連成し、定常、過渡、周波数領域(EIS)の解析セル電流に関連している場合は、セル電圧の解析結果を提供します。

電極と電流コレクタ内の電流伝導は、多孔質電極とGDEsの電気伝導を含み、カレント保存の方程式と共にオームの法則を使用して定義されます。メッシュ無しの薄層(シェル)を使用し、電流コレクタとフィーダ内の電流電動のモデリングを簡素化するインタフェースもバッテリ&燃料電池モジュールに含まれます。電子伝導粒子、ファイバー、もしくはフィラメントは、電池の短絡と熱暴走の影響をシミュレートするためにセル内部に含まれています。  

バッテリインタフェース

バッテリ&燃料電池モジュールには、リチウムイオンバッテリをモデリングするためのフィジックスインタフェースが含まれています。これには、高濃度でモデル変数を含んだ固体電解質インタフェース (SEI)と内部粒子拡散(インターカレーション)を定義するために追加機能タームや関数が含まれています。 操作中のSEIおよび、多様な操作状況下での拡張により、老朽化に関するシミュレーションをモデリングすることができます。 また鉛-酸バッテリインタフェースも含まれ、そこではバッテリ充電と放電が起因となる電極内での多孔性種を追加的に解析します。また多孔性内でのこのような変更により発生する平均的な電解質の表面速度も解析します。2元電解質バッテリは、特殊なフィジックスインタフェースにてモデリングされることが最適です。また、高濃度電解質やこのようなシステム内のイオン輸送上の配置制限を解析し、同様に多孔性電極を構築する粒子内のインターカレーションも解析します。フィジックスインタフェースは、ニッケル水素やニッケルカドミウムバッテリのモデリングに大変有効です。

流量

層流と多孔性メディアの液体流れは、バッテリ&燃料電池モジュールおよびNavier-Stokes方程式、Darcyの法則、そしてBrinkman方程式を解くフィジックスインタフェース内で定義されます。シミュレーション内では、CFD Moduleの液体流インタフェースを使用することで乱流と二相流を定義可能です。

伝熱

バッテリ&燃料電池モジュールでは、イオン泳動により発生する伝達、伝導、熱放散の伝熱モデリングを実装するフィジックスインタフェースを特徴づけます。活性化損失を含むジュール加熱用の特定インタフェースは、多孔質メディアの伝導モデリングが可能です。これは、このような種類のメディア内で発生する熱分散対流に沿って、固相と液相内の多様な伝導性を解析します。表面から表面への放射は、伝熱モジュール内のフィジックスインタフェースと自身のモデリングとの連成により、熱システム内で解析可能です。    

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