Mixer Module

流量とミキサー、攪拌リアクタ、回転機構モデル化

Mixer Module

この乱流ミキサーでは、3 枚羽のインペラと、流れをかき乱す 2 本のロッドで混合を実行します。モデルでは、自由表面の形状も考慮します。

シミュレーションをサポートした設計と最適化により製品要件を達成

CFD モジュールに対するアドオンとしてミキサーモジュールでは、流体ミキサーと攪拌リアクタを解析できます。回転機構による流量をシミュレートする専用機能を利用したミキサーモジュールでは、さまざまな流体や自由表面をモデル化する材料データも利用できます。

回転部品付きのミキサーは、消費財、薬剤、食品、精製化学製品の生産などさまざまな工業用プロセスで使用します。ミキサーは、日常的に、さまざまな目的のバッチプロセスで使用します。製品は小さな体積で生産され、高価格で販売されます。

あらゆる混合プロセスに共通なのが、製品の品質、再現性、均質性が最も重要であるという点です。これらの製品要件を達成するひとつの方法が、混合プロセスとミキサーそのものの動作を設計し、最適化するためにシミュレーションを行うということです。モデルとシミュレーションは、パイロットプロセスでその妥当性評価をして、スケールアップ計算に使用するときに、特に便利な手段です。妥当性がいったん評価できたら、パイロットスケールプロセスの構築と実行にともなうコストを回避するためにそれらのモデルが使用され、ラボスケールからフルスケールの生産に直接移行できます。

事例紹介

  • 非等温混合:回転機構で混合し加熱した流体のモデル、比等温流インタフェース。スライスプロットは温度場を示し、矢印とリボンは流向をプロットします。 非等温混合:回転機構で混合し加熱した流体のモデル、比等温流インタフェース。スライスプロットは温度場を示し、矢印とリボンは流向をプロットします。
  • バッフルミキサー:4 枚羽インペラ付きのくぼんだ皿形の底のバッフルミキサーの断面内の流線と速度。バッフル上のカラースケールは圧力を表し、スライスプロットは速度ベクトルの係数を表し、流線は流動方向を示します。 バッフルミキサー:4 枚羽インペラ付きのくぼんだ皿形の底のバッフルミキサーの断面内の流線と速度。バッフル上のカラースケールは圧力を表し、スライスプロットは速度ベクトルの係数を表し、流線は流動方向を示します。
  • フローズンローター:フローズンローター機能は、非ニュートン流体の混合をシミュレートするときに使用します。この機能は、計算リソースがはるかに少なくて済むため、バッフルのような幾何学障害物のないミキサーに使用します。 フローズンローター:フローズンローター機能は、非ニュートン流体の混合をシミュレートするときに使用します。この機能は、計算リソースがはるかに少なくて済むため、バッフルのような幾何学障害物のないミキサーに使用します。

流体混合シミュレーション

バッチ連続攪拌タンクリアクタにおける化学的反応を促すための、あるいは安定した溶解、結晶化、沈殿、吸収、または抽出プロセスを可能にする、種の混合をともなうさまざまな目的には化学的混合と流体混合が必要です。回転機構ベースのミキサーには、バッフルのような構成要素を取り込むことのできるインペラと容器を設計します。 これらの構成要素は、通常、すぐに使用できる状態にあります。インペラや容器の選択は目指すプロセスによって異なります。インペラは、取り替え可能であることが多く、同じ容器で異なる流体や混合要件に使用します。

回転機構によるモデル化流量

層流

ミキサーモジュールには、柔軟性に富み、回転機構の影響を受ける流量をモデル化するためのロバストなフィジックスインタフェースがあります。その中には層流専用のインタフェースがあり、このインタフェースはナビエ-ストークス方程式を利用して、低から中程度までのレイノルズ数の混合流のモデル化に使用します。このインタフェースの対象は非圧縮性流と弱圧縮性流 (最高マッハ 0.3) であり、非ニュートン流量のシミュレーションにも対応できる機能があります。

乱流

回転機構の影響を受ける乱流のモデル化に使用できるフィジックスインタフェースは、平均速度と圧力場のレイノルズ平均ナビエ-ストークス (RANS) 方程式を解いてモデル化に対応します。* k-εモデル、k-ω モデル、低レイノルズ数 k-εモデルの 3 つの乱流モデルを用意しています。k-εモデルは、精度要件と計算要件のバランスがよく、計算コストがかかる低レイノルズ数 k-εモデルは、特に壁に近い流量の解決では高い精度が得られます。k-ω モデルも、とりわけ壁に近い再循環領域で正確な結果が得られますが、k-εモデルほどロバストなモデルは得られません。層流のフィジックスインタフェースと同様に、非圧縮性流と圧縮性流 (マッハ数 < 0.3) は乱流でシミュレートできます。

非等温流

流体が温度勾配の影響を受けると、非等温の浮力駆動の流動が発生します。 ミキサーモジュールにはこれをサポートするフィジックスインタフェースがあります。非等温流インタフェースには定義済みの機能があり、これで温度と流動場を完全に連成し、回転機構の影響を受ける流動のシミュレーションも最高マッハ 0.3 まで可能です。 また、これらのインタフェースには、流体と固体の熱伝達をモデル化する機能があります。回転機構、非等温流インタフェースは、層流と乱流の両方に利用でき、先に紹介した乱流モデルを使用します。

反応流

回転機構の影響を受ける流動における密度と組成の変化は、化学的反応でも発生します。ミキサーモジュールには、そのような反応流をサポートするフィジックスインタフェースがあります。このインタフェースは流量方程式を混合密度と自動的に連成します。これは、濃縮種の輸送インタフェースで解決します。回転機構が支配する反応流は、先に紹介した乱流モデルを使用して、乱流を前提とし、さらに層流も前提としてシミュレートできます。

ミキサーと攪拌リアクタをシミュレートするときのワークフロー

正しいフィジックスインタフェースを選べるかどうかは、経験や、実験結果、その他定性的解析で決まることが少なくありません。関連物理特性を除外すると、誤った結果につながり、かといって可能性のあるすべての寄与要因を取り込むと計算時間が長くなります。ミキサーモジュールで使用できる回転機構インタフェースは、さまざまな複雑さのシミュレーションのセットアップに役立ちます。混合されている種がそれを含んでいる流体に影響しない場合、モデル化アプローチに流量の解法を含め、次に速度場を入力として材料輸送含めることができます。濃縮混合物、反応、熱の変化は、密度や粘性など流体の構成的数量にしばしば影響します。これらの効果が目立つようになると、回転流、反応流インタフェース、回転流、非等温流インタフェースにそれぞれ切り替えられます。さらにステップを進めると、COMSOL は、構造力学を記述するフィジックスインタフェースなど他のフィジックスインタフェースを既存のインタフェースに追加してシミュレーションをカスタマイズするよう促します。

ミキサーモジュールインタフェース

Tミキサーモジュールには、一連のフィジックスインタフェースがあり、運動量、質量、エネルギー保存の法則と、流体内の種材料の平衡に基づいて作られています。流動場の関連物理特性に適用できる保存法則のさまざまな組み合わせと式は、ミキサーモジュールで使用できる組み込みフィジックスインタフェースでアクセスできるさまざまな方程式と設定になりました。

これらのフィジックスインタフェースにより、流体に働きかける回転機構の高度なシミュレーションが可能になりました。 流れには層流と乱流、非圧縮性流と弱圧縮性流のほか、非ニュートン流があります。流量方程式で温度効果、反応種、自由表面を記述するための条件と方程式を組み込んだその他のフィジックスインタフェースも利用できます。 これらの流動タイプのフィジックスインタフェースでは、インペラの回転のすべての記述またはフローズンローターの近似化により、時間依存性のモデルを 2 次元と 3 次元でシミュレートできます 。

時間依存スタディやフローズンローター機能の使用

回転機構で影響を受ける流量の完全な時間依存スタディは、互いに相関性のある幾何学的部品の動作を説明します。混合プロセスのシミュレーション法としては最も正確です。COMSOL はインペラやローターなどを取り囲むモデル化領域を定義します。この領域の外側には、壁や、バッフルのようなアーチファクトがあります。COMSOL はすべりメッシュテクノロジを使用して 2 つの領域間のインテグレーションを説明します。この解法プロセスで得られる精度は、ミキサーの始動条件のモデル化を調べるときに不可欠です。ただし、しばらく時間を経たのち、そして疑似定常状態条件下における通常の操作時に、ミキサーがどのように動作するかのシミュレーションが目的とする結果の場合、この方法は計算的にコストがかかります。

ミキサーモジュールには、計算リソースと時間の節約になるフローズンローター機能もあります。この機能は、回転の基準座標系に対するシステムトポロジーが固定されている、あるいは停止しているものとみなして回転流をシミュレートし、疑似定常状態条件のシミュレートに必要な計算リソースを大幅に節約します。この機能を使用するのは、遠心力とコリオリ力が回転領域に追加された定常的ナビエ-ストークス方程式を解くことと等価です。フローズンローター近似化の使用はバッフルや他の障害物がないミキサーや、マイクロ流体における遠心分離のようにシステム全体が回転する場合に適しています。

とはいえ、システムに幾何学的にバッフルミキサーなどの固定部品との相対的なローターの回転のすべての記述が必要な場合は、フローズンローター機能が計算リソースと時間の節約になります。このような幾何学的構成ではこの方法では正確な解法には到達できないかもしれませんが、フローズンローター機能を使用すれば、そこそこの近似的解法が得られます。品質はフローズン構成要素と固定構成要素がどれだけ近くにあるかで決まります。次に、この解法を過渡シミュレーションの初期速度場と他のパラメータとして使用すると、完全に時間依存のスタディではるかに短時間で疑似定常状態条件が得られます。

ミキサーの自由表面のモデル化

ミキサーモジュールにはミキサーの自由表面をモデル化する特殊な機能があります。この機能では、自由表面と壁の間の表面引張力と接触角度の効果を含めることができます。移動メッシュテクノロジを使用すると、ミキサーモジュールで、混合する流体、自由表面の上の流体、壁とローターの固体表面の間のの接触線を固体表面に添って自由に移動させて自由表面の形状をシミュレーションできます。

自由表面をモデル化する一環として、方程式で表面張力係数を指定して、自由表面の動きを記述します。ミキサーモジュールには、一部の共通液体と他の液体間の表面張力係数と、液体と共通気体間の表面張力係数の定義済みのライブラリがあります。以下にそれらのライブラリを紹介します。

液体/気体 液体/液体
水/空気 ベンゼン/水
アセトン/空気 コーンオイル/水
酢酸/空気 エーテル/水
エタノール/空気 ヘキサン/水
エチレングリコール/エチレングリコール蒸気 水銀/水
ジエチルエーテル/空気 オリーブオイル/水
グリセロール/空気
ヘプタン/窒素
水銀/水銀蒸気
トルエン/空気

Behavior of Power Law Fluids in a Mixer

Non-Isothermal Flow in a 2D Mixer