ECAD インポートモジュール

COMSOL Multiphysics® に ECAD ファイルをインポート

ECAD インポートモジュールは, COMSOL Multiphysics® の機能を拡張し, 微小電気機械システム (MEMS) デバイス, 集積回路 (IC またはチップ), およびプリント回路基板 (PCB) の一般的なレイアウト形式をインポートする機能を追加します. GDS-II, IPC-2581, ODB++ 形式のレイアウトをインポートし, 解析に適した 3D ジオメトリモデルに自動的に変換できます. ECAD インポートモジュールは, COMSOL 製品スイートの他のモジュールと組み合わせて, 低周波および高周波電磁気, 熱伝達, 構造力学, マイクロ流体工学などのさまざまなアプリケーション分野をシミュレートできます.

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電位をレインボーカラーテーブルで示した平面トランスモデル.

インポートされた ECAD ファイルの処理

インポート機能には, ファイル形式に応じて, インポートされた ECAD ファイルのレイヤーに含まれる幾何学的形状をジオメトリ構築に使用する方法を構成するためのさまざまなオプションが用意されています. ユーザーはインポートするレイヤーを決定し, レイヤーの厚さと高さを編集し、パラメーターを微調整してジオメトリを簡素化できます. インポートプロセスの設定を高速化するために, レイヤー構成情報をテキストファイルからロードできます. シミュレーションの設定にかかる時間をさらに短縮するために, 各レイヤーの選択範囲を自動的に作成するようにインポートを構成できます. これらの選択は. フィジックス設定をドメインと境界に割り当てるときに使用できます.

ECAD レイアウトから構築された 3D ジオメトリ オブジェクトは, 他の 3D モデルと同様にソフトウェアで表現され, COMSOL Multiphysics® のジオメトリモデリング機能を使用してさらに編集できます.

ECAD インポートモジュールを CAD インポートモジュール, デザインモジュール, または LiveLink™ 製品のいずれかと組み合わせると, 3D ジオメトリを IGES, STEP, ACIS®, または Parasolid® ファイル形式にエクスポートすることができ, 他のソフトウェアで使用することができます.

PCB レイアウト

IPC-2581 および OBD++ ファイル形式は, 銅層や誘電体層, 部品のフットプリントなど, PCB の製造に必要な情報のほとんどを処理できます.

シミュレーション用のジオメトリを生成するために, インポート機能は銅層, 誘電体層, ビア層のレイアウト, ボードレイアウト, レイヤースタックアップ情報などの情報の一部を読み取ることができます. PCB の ECAD ファイルには, 銅配線とビアが一部となっている電気ネットに関する情報も含まれる場合があります. ユーザーは, この情報を使用し, シミュレーション用のジオメトリを準備するとき, またはフィジックスとメッシュを設定するときに便利な選択を生成するようにインポートを構成できます.

回路基板の 3D モデル作成

3D ジオメトリを取得するには, PCB インポーターはまず, ファイルのレイアウトマスクで定義された形状を組み合わせて, 各レイヤーを表す 2D ジオメトリを生成します. 銅配線のジオメトリを生成するときによく発生する非常に短いエッジを回避するために, 短いエッジを削除し, 連続した接線を持つ頂点を無視するようにインポートを構成できます.

ユーザーは, 銅層をジオメトリ内のサーフェスとして保持するオプションを選択できます. これは, トレースをシェルとして近似するときに便利です. または, レイヤーの積層に従ってレイヤーを自動的に押し出すこともできます. この情報は IPC-2581 および OBD++ ファイルから読み取ることができ, ユーザーは直接入力したり, 別のテキストファイルからインポートしたりすることもできます. ビアレイヤーは, プラグビアかオープンビアかに応じ, ボードジオメトリから削除することも, ボードジオメトリと結合することもできる個別のジオメトリオブジェクトに押し出されます.

IC および MEMS レイアウト

GDS ファイル形式 (GDS-II) は, IC および MEMS デバイスの製造プロセスでレイヤーマスクを転送するときに一般的に使用されます. ファイルはバイナリで, レイヤー上の形状はポリゴンで構成されています. これらはセルと呼ばれるライブラリに編成でき, 他のセルやレイヤーにインスタンス化できます. 通常, 異なるレイヤーは製造プロセスの異なるステップを表しており, 選択したセルとレイヤーのジオメトリを生成するようにインポートを構成できます. インポートでは, レイヤー上のポリゴン形状をさらに区別するために GDS ファイルで使用されることがあるデータタイプも認識できます.

効率的なワークフローを実現するために, ユーザーは, GDS インポーターによって生成されたジオメトリエンティティとオブジェクトを, インポートされた形状が属するレイヤー, セル, データタイプに基づいて名前付き選択に自動的に割り当てるオプションを選択できます.

これらの選択は, 下流のジオメトリ操作の入力として, またフィジックスとメッシュの設定時に使用できます.

GDS ファイルからの 3D ジオメトリ作成

シミュレーションに適したジオメトリオブジェクトを生成するために, GDS インポーターは円弧と直線を自動的に認識し, 不必要に細かいメッシュになる短いエッジセグメントを除去します. 円弧と線の認識に加え, 結果のジオメトリから短辺を削除するための同じオプションを PCB のレイアウトのインポートに使用できます.

GDS 形式では, 製造プロセスでレイヤーをどのように使用するかについては指定されていません. この情報は通常, 他の方法で提供されます. GDS ファイルをインポートするときに, 各レイヤーの厚さと高さを構成し, 押し出しによって 3D 構造を作成できます. この方法は, レイヤーが平らな表面上に堆積およびパターン化され, ポジ型フォトレジスト用のマスクが含まれる場合に適しています.

複雑な 3D 構造デバイスのモデル化

より複雑な 3D 構造を作成するには, GDS インポートによって生成されたジオメトリオブジェクトを, ブールジオメトリ演算を介して他のジオメトリオブジェクトと組み合わせることができます. たとえば, ネガ型フォトレジストのマスクをインポートする場合, ブール差分演算を使用し, インポート後に押し出されたレイヤーを他のオブジェクトから削除できます.

ECAD インポートモジュールをデザインモジュールと組み合わせると, 平坦でない表面上にレイヤーが堆積およびパターン化される半導体製造プロセスを効率的にエミュレートすることもできます. これは, レイヤーが堆積される面を法線方向にオフセットすることによって, ジオメトリ上で行われます. 結果のオブジェクトは, GDS ファイルから押し出されたレイヤーマスクと交差して, パターン化されたレイヤーのジオメトリを作成します.

Parasolid は, Siemens Product Lifecycle Management Software Inc. またはその子会社の米国およびその他の国における登録商標です. ACIS は Spatial Corporation の登録商標です.

ODB++ フォーマットの実装のサポートは, ODB++ ソリューション開発パートナーシップの一般契約条件に従って, General Terms and Conditions によって提供されました.

どのビジネスもシミュレーションニーズもそれぞれ違います. COMSOL Multiphysics® ソフトウェアがお客様のご要望を満たすかどうかをきちんと評価するために, 我々にご連絡ください. 我々のセールス担当と話をすれば各個人に向いたお勧めや, しっかり文書化されたモデルなどをお送りすることができ, 最大限の評価結果を引き出すことができます. 最終的にどのライセンスオプションがあなたの要望にとって最適かを選択することができます.

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