分子流モジュール

分子流れモジュールで真空系の低圧気体流れをモデル化

分子流モジュール

イオン注入機ではビーム経路に沿った気体放出分子の平均数密度を, 設計を評価する性能指数として使用します. 平均数密度はウエハー角度の関数として, 1 軸を中心とした回転で計算します.

自由粒子流れを理解し予測する

分子流モジュールを使えば真空系を設計し, 低圧ガス流れを理解し, 予測することができます. これらのツールが現象の理解を助け, プロトタイプコストを減らし, 開発スピードを加速させるにつれ, 設計サイクルにおけるシミュレーションツールの使用はますます広がってきました. 従って, 設計プロセスにおけるシミュレーションの使用が増えることは本質的なコスト削減につながります. 真空系で起こる気体流れは通常の流体流れ問題とは異なる物理で記述されます. 低圧においては気体分子の平均自由行程は系のサイズと同等で, 気体の希薄化が重要になります. 流れはクヌーセン数 (Kn) を通して定量的に分類されますが, それは気体流れのジオメトリサイズに対する分子の平均自由行程の比として表されます.

流れのタイプ クヌーセン数
連続流 Kn < 0.01
すべり流れ 0.01 < Kn < 0.1
遷移流れ 0.1 < Kn < 10
自由分子流れ Kn > 10

マイクロフルイディクスモジュールはすべり流れと連続流れをモデル化する一方, 分子流モジュールは自由分子流れを精度よくシミュレートするために設計されています. 歴史的には, この部類に属する流れはモンテカルロ法 (DSMC) による直接シミュレーションによってモデル化されてきました. その方法はランダムに発生させた大量の粒子を系において追跡するものですが, モデル化のプロセスで統計的なノイズが混入してしまいます. 真空系などで見られるような低速流れには DSMC によるノイズはシミュレーションにおいて好ましくありません.

事例紹介

自由分子流インターフェースで利用できる角度係数手法と, 数学的粒子追跡インターフェースを使用するモンテカルロ法の両方を使用した RF カプラーの通過確率 (粒子追跡モジュールが必要). 自由分子流インターフェースで利用できる角度係数手法と, 数学的粒子追跡インターフェースを使用するモンテカルロ法の両方を使用した RF カプラーの通過確率 (粒子追跡モジュールが必要).

低圧低速のガス流れの高精度モデリング

分子流モジュールは, 従来はできなかった複雑なジオメトリにおける低圧気体流れの高精度モデリングを提供するために設計されました. それは, 半導体プロセス, 粒子加速器, 質量分光装置などの真空系のシミュレーションに適しています. 狭流路のアプリケーション (例えばシェールガス掘削やナノポーラス材質中の流れなど) にも使えるでしょう. 分子流モジュールは角係数法を使って, 分子流束, 圧力, 数密度, 熱流束を表面上で計算することにより自由分子流れの定常状態をシミュレートします. 数密度はドメイン, サーフェス, エッジ, ポイントで周囲の表面での分子流束から再構成することができます. 等温, 非等温の分子流れをモデル化でき, 気体分子からの熱流束寄与を求めることができます.

機能

  • 角度係数手法による等温流と非等温流
  • ドメイン, 境界, エッジ, ポイント上の数密度再構成
  • 複数化学種
  • 拡散フラックス, 蒸発, 流入境界のリザーバー境界条件
  • 流出境界の総真空条件と真空ポンプ境界条件
  • ガス放出, 熱吸脱着, 壁への吸着
  • 非等温流れの追加温度境界条件
  • 全ジオメトリまたは表面のみのメッシュ化
  • 過渡流
    • 離散速度/ラティスボルツマン法の変形態様を使用したボルツマン BGK 方程式による等温流
    • クヌーセン数全域に適用される壁境界条件
    • モデリング領域
    に流体を侵入または残すためのナビエ・ストークス様式と分子流動様式に適した境界条件

用途

  • 真空系
  • 半導体製造装置
  • 材料処理装置
  • 質量分析器
  • 粒子加速器
  • シェールガスの探査
  • ナノ細孔流

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