COMSOL® 製品概要

複合材料モジュールで積層構造を解析

より良い製品設計のための複合構造モデリング

複合材料は, 構造性能強化のためにに二つ以上の構成要素を合わせた不均一材料です. 複合材料は, 元来の材料に比べて強力・軽量なのであらゆる分野で利用される可能性を持っています. 業界では, 検出や作動, 計算やコミュニケーションなどの機能を埋め込んだスマート複合材料と呼ばれる複合材料の開発がすすんでいます. 最も精密で信頼性のある複合構造を設計するには, このような材料の行動をしっかりと理解することが必要です.

積層複合材解析のためのソフトウェア

複合材料モジュールは 構造力学モジュールのアドオンで, 積層複合構造の解析に適したモデリングツールと機能がついてきます. 積層複合材の一般的な例には, 繊維強化プラスチック, ラミネート板, サンドイッチパネルなどがあります. これらの積層複合材は, 航空機部材, 宇宙船部材, 風力タービン翼, 自動車部品, 建築物, ボート船体, 自転車, 安全機器などに幅広く使用されています. 複合材料モジュールには特化積層材料技術が用いられており, 複合シェルの精密なモデル化に2種類のアプローチ(層別理論・等価単層理論)が使えるようになっています.

更に, 複合材料モジュールを他のCOMSOL®製品ラインのモジュールと組合わせると, 熱伝達,電磁気,流体の流れなどのモデルを一つのシミュレーション環境内で拡張することもできます.

複合材料モジュールでモデル化できるもの

構造力学モジュールには特化設定で定義済みの物理インターフェースがついており, 簡単に解析の設定・実行ができます. 複合材料モジュールには追加のインターフェースと材料モデルがついてきて, 好みの層理論や実行解析の種類に応じた複合ラミネートのシミュレーションができます. 通常の構造解析 (定常解析・固有振動数解析・非定常解析・線形座屈解析など) に併せ, FPFやマルチスケールモデリングも実行することができます. 複合積層板は人工的材料なので, 様々な形で損傷しがちです. よって, 多様な損傷解析を複合ラミネートに対して実施することは大切です.

またアドオンの最適化モジュールによって, 設計上のジオメトリ寸法や合成レイアップ, プライの厚み, 繊維の方向, 材料特性などを最適化することもできます.

複合材料モジュールでモデル化できるものについて, 下記で更に詳しく説明します.

3Dで利用できる積層シェルインターフェースでは, 層別理論基盤のアプローチによる複合ラミネートの細かい解析が可能です. 境界条件は, 個別層上および層間の個別インターフェース上のどちらにも配置できます. 基準面または板厚方向の変位場のための異形位数もサポートしています. 結果には3D応力・ひずみ分布が含まれるので, 例えば各薄板内などの層間応力変動を算出することができます.

この物理インターフェースの定式化は, 厚めのものから, 限られた層数を持つやや薄めの複合シェルに適しています.

Model of a simply supported composite laminate. Stresses in a simply supported three-layer composite laminate subjected to bending.

複合材料モジュールで, シェルインターフェースは新しい材料モデル「積層線形弾性材料」によって拡張されます. これは等価単層理論の一種である1次せん断変形理論に基づいており, 全ての層が等価材料としてまとめられています. 結果には3D応力・ひずみ分布が含まれるので, 例えば各薄板内などの層間応力変動を算出することができます.

この物理インターフェースの定式化は, 薄めからやや厚めのシェルに適しており, 性能に影響を受けることなく多くの層に対応することができます.られた層数を持つやや薄めの複合シェルに適しています.

Model of a wind turbine composite blade. Stresses in a wind turbine composite blade made up of thick PVC foam as a core material surrounded by several layers of glass fiber composite on each side combined with an external carbon fiber cladding.

異なるジオメトリックスケールを扱うため, 複合ラミネートの解析は比較的難しいとされています. 二つの異なるスケールで行われる解析は, マイクロメカニクス解析とマクロメカニクス解析として知られています.

一般的に薄板は繊維材とマトリクス材から構成されています. 薄板の均質性は, 構成要素が混合されている体積分率だけでなく構成要素の特性にも左右されます. マイクロメカニカル解析は, 個別薄板または繊維材とマトリクス材を持つその代表単位胞のモデリングを扱います. この解析の目的は薄板の均質材料特性を算出することです.

Micromechanical model of a fiber composite. Representative unit cell for a fiber composite with a 20% fiber volume fraction. The model is used for determining an equivalent average anisotropic material.

複合ラミネートの座屈は一般的な現象で, 重要な設計条件です. 圧縮座屈荷重やねじれ座屈荷重に耐えうる複合ラミネートを設計することは必須です. COMSOL Multiphysics®ソフトウェアでは, どちらのラミネート理論も重要な複合ラミネートの圧縮座屈因数をの計算に使えます.

Buckling modes in a composite laminate of different fiber orientations. Buckling mode for the same composite laminate with different choice of fiber orientations in the lamina.

複合ラミネートは多数の層が接着またはラミネート加工された構成になっています. 異なる荷重条件下(とりわけ衝撃荷重にて)二層間の接合が特定箇所で剥がれる可能性があります. 層間剥離箇所の特定は破損した複合積層板の反応を精確に予測するために重要です.

COMSOL Multiphysics®では, 層別理論基盤の積層シェルインターフェースを使ってこの解析が可能です. 薄弾性層, インターフェースノードを使い, 複合ラミネートの異なる層間の剝離箇所のモデリングをします.

Impedance in a composite laminate with and without delamination. Impedance of a composite laminate at different frequencies. The results are compared for a laminate with and without debonded regions (shown in the inset).

層状シェルインターフェースでは, 非線形材料モジュールと組合わせて層状複合内の非線形材料モデルを利用することができます. また, 複合ラミネートの異なる層内に異なる非線形材料モデルを加えることも可能です.

マルチボディダイナミクスモジュールと組合わせ, 積層シェルインターフェースまたはシェルインターフェースの層状線形弾性材料ノードで, 複合ラミネートをマルチボディ系の他構造要素とのカップリングが可能です.

拡張された複合材料解析のためのマルチフィジックスカップリング

多くの場合, 複合ラミネートは構造条件に基づいた設計になっていますが, 他の物理現象が考慮されなくてはならない場合もあります. ラミネート内の力学と他のプロセス間の相互作用には, ラミネート層間で発生するもの・境界としてのラミネートに発生するものという根本的に異なる二つの種類があります.

熱相互作用と電磁相互作用

物理プロセスには熱相互作用と電磁相互作用が顕著なラミネート内部で発生するものがあり, 両方の反応に基づいたラミネートを設計することが重要となります. 積層材料技術によって異なる物理インターフェースを一つの積層材料内で使うことが可能となり, 互いのカップリングを含め全ての物理現象を同時に解くことができます. 構造設計の観点から, どちらのラミネート理論も複合ラミネートの熱電モデリングと組合わせることができます. 複合ラミネートのジュール加熱と熱膨張がその例の一つとして挙げられます.

これらのマルチフィジックスカップリングを使うには, 熱相互作用には熱伝達モジュールが, 電磁相互作用には AC/DCモジュール が必要です.

流体相互作用と音響相互作用

他の物理プロセスにおいてラミネートは, 重要な事項が発生する3D領域の境界となります. 等価単層理論基盤のシェル内積層線形弾性材料インターフェースによって, 流体構造相互作用マルチフィジックスカップリングノードを使い, 複合ラミネートを周辺の流体と結合することができます. この機能は CFDモジュールと組合わせ, 層流と乱流に利用できます.

同様に, 振動音響問題のモデル化には, 音響モジュールと組合わせることで利用できる音響構造境界マルチフィジックスカップリングノードを使い, 複合ラミネートと周辺の音響領域に結合することができます.

Thermal expansion in a composite laminate. Equivalent stress distribution caused by heating in a six-layer composite.

ラミネート材料を定義・可視化するための特化ツール

複合ラミネートは, 異なる材料や繊維方向, 厚みなどを持つ複数層から成り立っています. 複合材料モジュールには, レイアップを可視化し, 分かりやすく情報を提供するための特化ツールがついてきます. 更に, 複合ラミネートは元来異方性で一般的に貫通方向に均質なので, 参照表面上だけで結果を見直すだけでは十分ではないことが多いとされています. 貫通方向と共に各層において結果を評価する必要があります.

積層材料機能

積層材料ノードは, 各層が独自の材料データや厚み, 主要方向などを持つレイアップの定義に使うことができます. このように定義された積層材料は積層材料スタックノードを用いて組み合わされ, より複雑な材料を作るのに使われます. これはレイアップが反復的な場合やプライドロップオフのモデリングに便利です. また, 層間インターフェースのための材料特性も定義できます.

層プレビュープロット

複合レイアップのインプットデータを可視化するために, 層スタックプレビューと層断面プレビューの二種類のプレビュープロットがあります. 層スタックプレビュープロットには, 層数と各層の主要繊維方向が表示されます. 層断面プレビューには各層の厚みと基準面の位置が表示されます.

積層材料接合

二種類のラミネートを並列構成で接合する場合, またはプライドロップオフをモデル化する場合には, 積層材料スタックノードを積層シェルインターフェースの継続ノードと共に用います. 二つのラミネートの接合部分は異なるオプションでコントロールすることができます. 両方のラミネートからの接合層は, 継続ノードの層断面プレビュープロットによって可視化できます.

積層材料データセット

複合ラミネートは表面ジオメトリ(2D)としてモデル化されるものの, 積層材料データセットを使い有限厚を持つジオメトリとして可視化することができます. また, ジオメトリを厚さ方向に拡大縮小し, 薄型ラミネートとしてのより良い可視化もできるようになっています. データセットを使い, 3Dジオメトリの表面として,あるいは3Dジオメトリ内スライスとして結果をプロットすることができます.

積層材料スライスプロット

積層材料スライスプロットによって, 自由自在に複合ラミネート内にスライスを作成することできます. これは下記のようなケースに便利です.

  • 単層または少数層だけのスライス作成
  • 複数または全層のスライス作成。ただし板厚方向に置く必要はない。
  • 特定層を詳細にわたり調べ, 中央平面以外の層内の特定箇所にスライス作成。

板厚プロット

板厚プロットによって, ラミネートの厚みに対する境界上の特定箇所でのいかなる数量変化も可視化することができます. 境界上の一つ以上のジオメトリック点を選んだり, 任意に切点データセットを作成したりすることが可能です. また, 点座標を特定することもできるようになっています. 他のグラフと違って, 結果数量はx軸, 厚み座標はy軸にプロット表示されます.

Layup of a layered material and its layer stack preview plot. The layup of a layered material, together with a layer stack preview plot showing principal fiber orientations of each layer.

Cross section of a layered material with the reference plane position. The cross section of a laminate made up of five sublaminates. The thickness of each layer and the reference plane position are shown.
Connection between two layered materials. The connection between two layered materials meeting side by side. Ply drop-off is depicted.


Different types of visualization of a thick three-layer laminate using layered material dataset. Different types of visualization of a thick three-layer laminate using the layered material dataset.

Stresses in all of the layers of a composite laminate. Stresses in all of the layers of a tube designed as a five-layer composite laminate.
Through thickness plot showing transverse shear stresses.

Transverse shear stresses in a three-layer laminate, comparing the Layered Shell interface and exact 3D solution.

どのビジネスもシミュレーションニーズもそれぞれ違います. COMSOL Multiphysics® ソフトウェアがお客様のご要望を満たすかどうかをきちんと評価するために, 我々にご連絡ください. 我々のセールス担当と話をすれば各個人に向いたお勧めや, しっかり文書化されたモデルなどをお送りすることができ, 最大限の評価結果を引き出すことができます. 最終的にどのライセンスオプションがあなたの要望にとって最適かを選択することができます.

"COMSOL へコンタクト" ボタンを押し, あなたの連絡先詳細と特別なコメントや質問があればそれを記入して, 送信していただくだけで済みます. 1営業日以内に我々のセールス担当者から返事が届きます.

次のステップ:
ソフトウェア
デモをリクエスト